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2009年 12月 31日
12月某日、東京アートポイント森さん、渡辺さん、壁写真家の杉浦さん、映像作家の高橋さん、BPAの計9名でマイクロバスをレンタルし中央防波堤埋立て処分場に遠足に出かけた。来年度に船で島に上陸する企画が可能かどうかと面白いかどうかの視察のためだ。 秋までは東京へのオリンピック招致計画で、中央防波堤内側埋め立て地を会場に設定しており、都のお抱え建築家となった安藤忠雄の「海の森プロジェクト」キャンペーンの一環でU2のボノ招いてこの地に植樹をしたりと派手なパフォーマンスで一躍有名になった埋め立て地だ。アート業界でもトーキョーワンダーサイト(以下TWS)が環境というテーマでアーティストに作品を発表させていたりする。その他土木的にもドボク的にもレインボーブリッジの2倍の長さを持つ巨大橋「東京港臨海大橋」が若洲から架橋され、現在架設工事が佳境でありオリンピック落選前までは東京一盛り上がっているエリアと言っても過言ではなかった場所である。しかも、この埋め立て地、標高が30mもあるとか。地形地図カシミールで見ると確かに標高30m前後を示しており湾岸エリアのどこよりも高い丘を有している。 そんなこんなで、去年の秋にはドボク御一行様で見学ツアーを実施したこともあるようだ。 この島は、メタンガスが立ち込め、毒性の高い汚水が排出されているような危険地帯である、ある程度人数を集め都のツアーに予約をしないと視察できないため、気軽に上陸できるような場所ではない。杉浦さんに予約いただいたのだが、僕らは、このツアーで想定されているカテゴリーのいずれにも該当しないため、外国人の団体ということでエントリーしたらしい。僕らのような団体が見学に訪れるのは想定外なのだろう。 この中央防波堤は最終処分場と言われており東京都最後のゴミ埋立地となっている。最終処分場とは言え、ゴミが増えなければ約50年は埋められるようだが、今後もゴミを縮小させ出来る限り延命させることが重要なミッションとなっている。また、現在どこの区にも属しておらず、江東区と大田区で協議中とのこと。今や東京湾最後のフロンティアと言える場所である。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 地中のメタンガスを抜くパイプ。腐食してボロボロだ。 ![]() 新海面処分場。東京最後の埋立風景。 ![]() ![]() このゴミ埋立地。中央の防波堤を挟んで内側埋め立て地と運河を挟んで外側処分場(埋立中)および新海面処分場にて構成されている。僕らが関心を持っているのは、ゴミ処分の最前線外側処分場だ。荒涼としたゴミの山や埋め立て最前線が広がっており、期待を裏切らないどころか、想像以上のランドスケープである。荒涼とした地平の遥か向こうに東京の摩天楼が陽炎のように揺らいでいる光景は圧巻。また埋立地の中で標高30mの存在感は思った以上の地形を感じさせ、ランドアートへの可能性を感じた。アーティストにとっても申し分ない景観だと思う。 すでにTWSでは津村耕佑のFINAL HOMEを絡めたり大巻伸嗣の「絶景」などが発表されている。 ![]() 僕らはノルマンディー上陸ではないが、船による中央防波堤上陸作戦を検討したいと思っている。物理的に着岸可能な桟橋は確認できたのだが、港湾局や清掃局などの各種官庁協議が難航しそうだ。上陸を阻むものはバリケードでも地雷でもない、官庁協議だ。 また、毒性の強いエリアのため、車から下りての行動も難しそう。上陸後の展開で何が出来るのか?いずれにしても船で島に上陸するというロマンを中心に組み立てることになるだろう。 この中防周辺だが、日本最大の物流拠点に囲まれている。上空は羽田着陸の旋回ポイントとなっており、常に低い高度で飛行機が大きなカーブを描いている。また航路を挟んだ対岸には大井埠頭の大型ガントレイクレーンが立ち並ぶコンテナヤードと巨大コンテナ船を見ることができる。さらにその背後には湾岸道路と近代的な一大倉庫街が立地している。中防は若洲からこの大井埠頭に抜ける東京港臨海道路のほか、第二航路トンネルが臨海副都心から大井まで抜けており、陸送の中継地点でもあり、陸海空の一大物流ジャンクションとなっている。なお現在、国際化を目指し、アジアのハブ空港を目指す羽田D滑走路の工事が進められているが、その工事拠点が実は中防外側処分場に立地しており、ここから通船で羽田に向かっているのには驚いた。この島から東京を見渡すとすさまじい都市の物流とその果ての消費と廃棄を感じずにはいられない。去年見たドキュメンタリー映画「今ここにある風景」サブタイトル エドワード・バーティンスキー:マニファクチャード・ランドスケープ「CHINA」に通ずるものがある。 思い起こすとBPAが保有するLOBも潮見のゴミ処分施設にゴミを運搬していた艀であったものを転用したものだ。係留場所問題で、いまどのように最期を迎えるのか苦慮しているところである。アートの世界では少ないながらも係留の機会と転用による第2の人生を見出せたのだが、日常的な係留問題は解決できず多額の解体費を支払い廃棄処分するしか道がない状況だ。結局スクラップアンドビルドが最も合理的な手段であるよう、日本の社会は組み立てられているように感じる。今、ユニクロに代表されるようなファストファッションが最高益を上げているという。中国による安価な生産に支えられたグローバルな市場開拓と物流。相変わらず大量生産と大量輸送、大量消費その果ての大量廃棄処分のサイクルは健在だ。僕もユニクロでよく買い物をするので当事者なのだが、こんなことで良いのかと自問自答しつつ、尊敬するパタゴニアではなく安くて使いやすいユニクロに足が向く。大掃除で大量に物を捨て、一段落した今そんなことを思いながら年末を迎えている。 今年は家族の健康も会社の仕事もBPAのクルーズ企画も順調で良い一年であった。イベントに参加いただいた方々には感謝!来年も新しくて面白い水面利用を実施できるといいな。 相変わらずの不景気だが来年も希望を持って迎えたい。良いお年を。
by canalscape
| 2009-12-31 15:21
| テクノスケープ
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