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2009年 10月 10日

水都OSAKA探訪 #5( 水の回廊クルーズ)

大阪訪問から随分時間が経ってしまったが、これも記録しない訳にはいかないだろう。大阪の象徴的都市運河である「水の回廊」クルーズ。「水の回廊」とは堂島川、東横堀川、道頓堀川、木津川を経由する四角形の運河のことだ。1周は約2時間、クルーズには実に程よい規模なのである。しかも4つの運河の景観はそれぞれ性格が異なっているため、程よいシーンの展開があり飽きることがない。船がすれ違うのに必要最小限の川幅であるため都市との一体感が高まっているのも重要な項目である。その他、パナマ式ロックゲートが2か所あり絶好調である。この回廊を1周できるクルーズがあるというので、予約しておいた。大阪水上バスのアクアminiという平べったく、オープンエアーな船、低い橋の多い都市河川クルーズには最適なクルーザーである。関東にはなぜかこの手の船が少ない。東京では僕らが日本橋川クルーズで使った船が1隻のみ、横浜では横浜キャナルクルーズで使用している船1隻のみと、東京・横浜に1隻づつしかないのだ。なぜか、大阪にはコンパクトで平らな船が数多く存在しており、この点でも東京・横浜は負けている。そんな訳で勢い余って、初日の夕方便と2日目の昼便と2本も予約してしまった。カヌー体験会も含めると2日で5本も乗っており、ほとんどクルーズに時間を費やした。家族がよくついてきたものだと感心。
さて、初日は御舟かもめに乗った後すぐに大阪城の桟橋へ移動。明石焼きを食べた後アクアmini乗り場へ。そこで重大なミスを犯してしまった。乗船時間10分前に行ったため、すでに先客がおり最前列には座れそうもない。たこ焼きなど食べてる場合ではなかったのだ。と言いながらもなんとか2列目を確保。この便は道頓堀湊町まで約1時間のクルーズ。道頓堀につくころには暗くなっており大興奮のクルーズであった。

2日目の昼のクルーズは道頓堀のさらに先に行き、堂島川を経由し大阪城桟橋までぐるっと一周するツアー。
こちらは早めに来て、最前列を確保。

以下夜便、昼便写真がごっちゃだがこんな風景のクルーズだ。

大阪城桟橋を出航しOBPの超高層街区、中之島、川の駅八軒家浜の大混雑と巨大アヒルをのぞむ大川を航行。いわば川の表参道だ。
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よしや橋をくぐると、いよいよ裏路地的水路東横堀川だ。いきなりロックゲートが現れる。大阪らしい、いろんなお祭り船とすれ違う。高速道路橋脚の列柱空間がすばらしい!完全に裏側感のある水辺空間。
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その後コーナーを右折し道頓堀川へ。日本橋をくぐると、いきなり出来たての親水空間「とんぼりリバーウォーク」へ。このヒューマンスケールな親水空間はすばらしい。大阪の派手なネオンは健在、水面に映りこんできれいだ。
船上でJAZZをやってますね。
まだ水辺のプロムナードができて日が浅いため、ほとんどの店舗の地上階は川に閉じたままだ、今後の建て替えが楽しみだ。きっといい水辺になると思う。
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工事中の橋の下は、まるでアートのような空間
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おっと、船みたいな建築。水面に極めて近い店舗空間?丸窓が船っぽいが、法的にどうなってるのだろう?
一般的には水面レベルは土木の範囲で公共施設なのだが。この建築かなり特異です。
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湊町などの再開発された施設は大々的に川に開いている。ゆったりとしたウッドデッキや空中庭園のある「浮庭橋」、隣接した商業施設「キャナルテラス堀江」や大階段のある複合施設湊町リバープレイス、どれも土木と建築が融合しヒューマンスケールな良質な空間であった。大阪の水辺プランニングはなかなかのもんですよ。まいりました。
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2日目はその先のヨーロッパにありそうなモダンなデザインの道頓堀川ロックゲートを通過し京セラ大阪ドーム前の交差点へ。大阪ドームってすごいランドマーク。道頓堀川水門は大阪ドームに合わせてデザインされたとか?木津川は川幅も広く人気があまり感じられない。ちょっと退屈。ここまでくるとかなり港湾的要素が散見される。
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木津川から堂島川へ入る交差点付近。この住友倉庫、要塞みたいですげーかっこいい。
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堂島川の重厚な橋ですが、神戸の大震災時に地盤沈下で若干沈下してしまったらしい
本当に低いです。くぐるの大変。
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とにかく楽しいクルーズだった。都市河川クルーズにはこういう船が便利ですね。

水都OSAKA、船三昧の充実した2日間であった。とても廻りきれないほどいろんな企画が同時開催されているし、BPAで話していたアイデアのかなりのものがすでに実現されている。水辺をテーマにこれだけ大規模なイベントを開催したのは、日本で初めてではないだろうか?東京より都市がコンパクトなのも幸いしているのかもしれない。世界有数の巨大都市東京にも運河はまだまだ残っている。
どのようにこれら資源を使っていくべきなのだろうか。BPAのやるべきことはまだまだありそうだ。とても良い刺激になった水都OSAKAであった。(完)

by canalscape | 2009-10-10 23:11 | 舟運・桟橋


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