2008年 08月 25日
2週間ほど前に、写真家 エドワード・バーティンスキー:マニュファクチャード・ランドスケープ「CHINA」のドキュメンタリーフィルムを見た。世界の工場中国を中心に、掴みどころのない資本主義経済というものを、見事に映像で表現している。 中でもオープニングは圧巻だ、工場の中の単純で気の遠くなるような反復をおこなう手作業のクローズアップから、圧倒的スケールの均質でドライなテクノスケープへ引いてゆくカメラワークが延々と続く。果てしない大量生産とグローバリズムに支えられている世界経済というモンスターの顔を見たように感じた。 巨大に、均質に管理されている生産の現場。高速道路、コンテナ、巨大貨物船による流通。巨大マーケットでの消費。そして、荒涼とした無秩序な産業廃棄のランドスケープまで。消費社会の一連の風景が映し出されている。それらは圧倒的で美しくもありグロテスクでもある。 個人的には、中国巨大船造船の現場とバングラデシュ解体廃棄の映像が素晴らしかった。ランドアート以上にアーティスティックな風景(添付写真)。 この映画、不都合な真実のように説教臭い直接的なメッセージは無いのだが、記憶の底にこびりつくようなテクノスケープが迫ってくる。そこに批判も肯定もない。圧倒的な風景の事実のみである。 このような風景は僕らが中国を工場にすることにより、生み出されたものなのだ。決して他人事ではない。
by canalscape
| 2008-08-25 18:24
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