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2011年 05月 23日

弁慶橋ボートハウス

赤坂プリンスをチェックアウト後、客室の窓から真下に見える桟橋、以前から気にはなっていたが訪れたことのなかったボート小屋に行ってみる。
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都心の真ん中に緑豊かな水辺を有する江戸城外堀の一部である弁慶堀。弁慶橋のたもとになんとも味わい深いボート小屋と桟橋がひっそりと佇んでいる。水の出入りがほとんど無いため、水面は藻で覆われてしまっており、かえって水の持つ生命力、自然の力というものを強く感じる。
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桟橋に降りてゆくと周辺の地盤より3mほど下がり、街を下から見上げるポジションとなった。水面が近づくと気温が下がり水の匂いを感じ、街の喧騒も若干だが遠ざかる。都市河川を船で航行するときにいつも感じている異界感が少し立ち居地が下がるだけで得ることが出来る。
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すでに小学生の先客達がボートを出しており、ルアーフィッシングに昂じている。どうやらブラックバスがいるようだ。都心のど真ん中にも野生は確に生息しているのだ。

とてもステキな朽ち方をした桟橋から家族とボートを漕ぎ出すとなんともいえない浮遊感に包まれた。水面から見上げる見慣れた光景。なんとも新鮮な感覚を得ることができた。娘は初めて乗るボートに興奮気味である。自分にも漕がせろとうるさいので、指導してオールを預けた。ふらふらしながらも船は進む
僕も手こぎボートなんか乗るのは何年ぶりだろう。
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ボートハウスは意外にも若い方が管理していた。ゆったりとした時の流れるボート小屋の管理人ってちょっとあこがれる。
ここもちょっと手を加えればステキな水辺カフェが出来ると思うのだが、今みたいな穴場になっているのもまた魅力的である
身近に隠れたヒーリングスポットとしてお勧めである。施設HPはこちら
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by canalscape | 2011-05-23 00:47 | 船溜り・船小屋
2011年 05月 17日

さよなら赤プリ

f0206739_0541954.jpg随分日が経ってしまったが、赤坂プリンスが昨年度の3/30をもって閉館するとのことで、急遽3月26日の最終土曜日に宿泊した。部屋は36階見附の交差点側。バブル期シティーホテルの代名詞でありステータスであった赤プリ。丹下健三をアーキテクトに起用し、構造は鹿島建設のエース播繁が担当。屏風を広げたような象徴的な外観は、ほぼすべての客室にコーナーウインドウを設けることが出来、意匠・機能共に満たした画期的な試みであった。
客室天井高さはCH=2400と住宅的なスケールで決して高くは無いのだが、横に開けたコーナーウインドをL字型ソファーと一体的に納めており、派手さは無いがじつにスマートに客室空間を演出している。
また、エーロ・サーリネンのラウンジテーブル、テーブルスタンド、デスクチェアーなど正統派モダニズムな備品でコーディネートしており大変美しい統一性を感じた。


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f0206739_0594590.jpg最上階のレストランとBARは雁行し連続するコーナーウインドウと鏡を貼り存在感を消した柱がクリスタルに共鳴し、床段差のある空間とサーリネンの家具が硬質かつ艶っぽい空間を演出している。このような時代を象徴するホテルが解体されてしまうのは残念でならない。じつは小生、バブル真っ盛りの学生時代、このホテルの宴会サービスでバイトしていたのだ。確か時給1200円だったと記憶している。あの当時は巨大宴会場クリスタルパレスでは毎日のようにパーティーが開催されており、トップオブ赤坂では着飾ったカップルで盛況であり、たくさんのコンパニオンがホテル内を闊歩するような浮かれた時代だったのだ。この時期に僕個人はホテルのサービス動線の重要性や空気感、舞台裏というものを習得していたようだ。当時漠然とホテルへの憧れがあったが、現在は幸か不幸かホテル専門の設計部門にいる。現在のような不況期において、ホテルは真っ先にダメージを受け苦しい状況なのだが、ホテルは都市には必要不可欠な存在。必ずや新しいホテル文化が現れるだろう。この日は世間は震災直後の委縮した状況であるはずだが、ホテルは閉館を惜しむ人たちで大盛況であった。閉館後は解体までの数カ月被災地の避難民を受け入れる。最後にもう一仕事がんばって。そして短い時間であるが、バイトを通して僕の人生経験を豊かにしてくれたことに感謝。ありがとう赤プリ。
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by canalscape | 2011-05-17 01:06 | ART・建築・街
2011年 05月 16日

横浜水辺のルールづくりに向けて

先日、BankART school「大岡川を往く」第4回として、元横浜国立大学 副学長 来生新先生の講義が開催された。来生先生は法律の専門家であり元々は海洋法をご専門にされていたようだ。近年は産業変革により港湾の役割が変化しているにも関わらず、法律やローカルルールが追従できていない状況に疑問を感じ、法律・ルールづくりという立場から「開かれた港」へするべく活動を始められている。法律の専門家というと格式ばっていてクリエイティブな活動になり得ないのではとの危惧もあると思うが、氏の現状認識はじつに的確であり、変えてゆくべき問題点についても僕らとほぼ同意見であることに驚いた。
具体的な活動手法としては一般社団法人「横浜水辺のまちづくり協議会」を発足させ港湾事業者、港湾管理者、学識者、ジャーナリスト、NPOをボードメンバーとし、市民の水辺利用を促進させる際のプラットフォームを構築することを目指している。
港湾は産業構造の変革に伴い、事業用地から公園、生活街区などに転換しつつあるのはご存じの通りである。水面利用に関しても、業務船利用は圧倒的に少なくなり、水上バスの他レストラン船、屋形船などのレジャー船が航行するのみとなり、利用率が低くなっている。にも関わらず、市民利用をけん制し、事業者が独占的に水面利用している現実はなぜなのか?
水面航行は原則自由であり、カヤックその他の市民による水面利用は法的にはなんの問題も無いはずである。しかしながらボートを降ろしたり乗降するための桟橋や護岸がほぼ皆無に近いため、現実的には水面を自由に航行するに至らないという状況が正確な解釈ではないだろうか?
この水面と陸とをつなぐ水際の空間・施設を今後開放し、自由な利用を促進していけるか否かが実質的に市民が港を利用できるか否かにかかってくる。そのためには、港湾事業者、港湾管理者、市民利用者の3者による協議が欠かせないのだが、そのような場がそもそも存在していなかった。
そのような観点から「水辺のまちづくり協議会」のようなオープンな場が設立された意義は大変大きいのだと思う。この試みはまだ始まったばかりであり、今後どのような問題が見えてくるのか未知数であるが、「ルールづくり」という法律的見地からのアプローチは具体的に諸問題を解決してゆく強力な手法となってゆく予感がする。BPAとしてもこのような協議会にプレイヤーとして参加し、より具体的な港の使い方を提示していけたらと考えている。
この講義の記録はスクール参加者でありBPAの良き理解者であるzaikabouさんのレポートが客観的かつ簡潔にまとめられているので一読することをお勧めする。
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by canalscape | 2011-05-16 02:27 | 書籍・映画・イベント
2011年 05月 16日

「にっぽんの客船 タイムトリップ展」を見た

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先日、銀座INAXギャラリーにて「にっぽんの客船 タイムトリップ展」を見た
先般の日本郵船の「船→建築 ル・コルビュジェがめざしたもの」展に続く戦前の客船設計からデザイン全般にもたらした功績を読み解くという趣旨。突然レトロ客船ブームですね。

大阪商船(現商船三井)の「あるぜんちな丸」、東京湾汽船(現東海汽船)の「橘丸」を中心に戦前の客船を紹介し、日本独自の客船造りへの過程を検証。
村野藤吾のホテルライクな内装デザインも紹介されています。当時は内装デザイナーに建築家が起用されていたようですね。
展示は、客船模型、設計図、当時の客船旅行ポスターなど多岐にわたり展示されているが、今回特に充実しているのはINAX出版のブックレット1500円。当時の写真とその空間の解説などの他、航路ごとの解説や造船に関わった建築家についての解説、インタビューなど多岐にわたる視点から編集されている。このブックレットだけでも一読する価値はありますね。特に村野藤吾、松田軍平他の当時客船デザインに関わった建築家のエピソードや建築と客船の設計アプローチの違いなど興味深い記事であった。そのほか、建築家 岡部憲明がレンゾ・ピアノのもとで現代の客船「クラウン・プリンセス」をデザインした時のインタビューなども興味深かったです。

ただ、五十嵐太郎さんによる「船→建築」展と比べると、やや切り口が見えにくいというか、キュレーションの鮮やかさは無かったかな・・・。というか、あの展示が冴え過ぎていたのだと改めて思った次第。

銀座INAXギャラリーで5/21まで。
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by canalscape | 2011-05-16 00:29 | 書籍・映画・イベント