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2011年 02月 08日

映画 180° SOUTH 

f0206739_242547.jpg先日、渋谷のパルコⅢで「180° SOUTH」を観た。Patagonia の創業者 イヴォン・シュイナードと THE NORTH FACE の創業者 タグ・トンプキンズが1968年にチリのパタゴニアの山を目指し、VANに登山道具とサーフボードを載せ旅したまるでエンドレス・サマーのような映像記録「マウンテン オブ ストーム」をある若い写真家が発掘したことから物語は始まる。彼はこの40年前の記録に感銘を受けトレースすることを試みる。40年の時を経てパタゴニアの環境も大きく変わってしまっている。今回は48feetのセーリングクルーザーにヒッチハイクしサーフボードを持って南を目指すなんとも贅沢な旅。

以下一部ネタバレなのだが、書かずにはいられないので書いちゃおう。
メキシコから船酔いに悩まされながら太平洋を南下。途中でデスマストをしてしまい急遽イースター島に立ち寄り船の修理とサーフィン三昧の日々を過ごす。ガラ空き海でパーフェクトな波を独り占め。まさにLife On Board! 
無事マストを修理し船のホームであるチリ本土に帰港しヨットから下船、またサーフィン三昧。チリって波豊富なのね。そこで漁師からトローラーをチャーターし、いよいよパタゴニアへ。このトローラーが超ステキなんだよね。チラシのこの船です。

現地でイヴォンとタグに合流し海辺でキャンプをし、またまたサーフィンサファリ。イヴォンは70才らしいがまだ波乗ってる。すごいな。夕食はフライで釣った魚とハマグリ?
残り少ない人生の終盤に至ってこんな時間を大切にかみしめたいとイヴォン。かっこいいね。さすが、社員に波がある時は仕事を中断しサーフィンに行くことを奨励している企業の創始者だ。日本法人の鎌倉本社もまったく同様のスピリッツだそうな。こんなことしてるから商品は高いのだろうが、皆この夢のようなビジョンを支持し高い商品を買うのだろう。売り上げを伸ばすのではなく、適正な利益を確保。人件費が高くても地元の従業員を雇い、ライフワークを第一に優先させ、高くてもオーガニックな素材を使用し、最高の機能と品質の商品を送り出す。そして利益の1%を環境保護団体に寄付。

これが本当のブランディングだ、サスティナブルだ、企業ビジョンだ、素晴らしい!

実際、あんなに高くてデザインもいまいちなのにお店はいつも混んでるし、映画館も驚くほどたくさん若い人や、子供連れの同年代が来てたな。内容は淡々としてるし子供には退屈な映画だったと思うが、親の意気込みだろうか?世界進出で頭がいっぱいの日本の企業も大いに参考にするべきと思うのだが・・・。ひたすらマーケットを追っかけてるだけでは絶対社員やその家族、母国は幸せになれないと思うな。今リーダーにもっとも求められているのはどんなビジョンを示せるかだと思うのだが、見事なほど提示できていない。そういえば昔、行き先のわからない船に同乗する映画があったな。コッポラの「地獄の黙示録」だ。まさに恐怖だ(笑)

ドボク好きとしては反応に困るのだが、話の中で海沿いに開発されて汚水を垂れ流すプラント工場や渓谷に計画されている多数のダムの話などがやはり取り上げられている。グローバル企業の辺境の地への進出で、代々そこに住むマイノリティーの生活が無残に変貌していってしまうことについて強いメッセージを発信している。起業で成功したタグは自身でも加担してしまっている大量消費社会に見切りをつけ、会社を売却しその私財で開発業者が進出する前に土地を購入し、公園化する壮大なプロジェクトを実行しているらしい。焼け石に水のような行為だがあきらめないところがすごすぎる。

f0206739_2483237.jpg1968年当時まだ無名だったイヴォンとタグはこのパタゴニアへの旅がきっかけでそれぞれ起業することを決心したという。今見るとまさにレジェンド的記録となっているようだ。Mountain of Storms DVDで購入出来るそうなので、ぜひ見てみよう。鎌倉パタゴニアでTシャツ買った時に店員さんも絶賛してた。

最後に、一行は念願のパタゴニアの岩山にアタックするのだが、船のマストトラブルでスケジュールが遅れ季節が悪くなってしまった。これ以上は危険があるため山頂を目前にし途中で引き返すという残念な結果に。

道を間違ったと思ったらいつでも180°ターンして軌道修正すればいいんだよとイヴォン。
皆わかっているはずなのにそのまま進もうとしてしまうと。
僕自身の問題も含めてそんな「問題の先送り」は日常のいたるところに存在している。

状況を良く見極め、勇気をもって決断、行動していかなくては。
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by canalscape | 2011-02-08 02:59 | 書籍・映画・イベント
2011年 02月 07日

氷川丸内覧 「船フェチの視点」

前回の「船→建築」展に誘発されて、以前撮影していた氷川丸の写真から好きな船デザインをピックアップしてみた。船のどんな部分に惹かれるのか?特徴的な開口部、リベット、計器類、配管、手摺、曲線、肉厚なペンキ、照明器具、木製デッキ、コンパス、チャートテーブル、アールデコ・・・きりがないな(笑)。日の出埠頭のタブロイドのような倉庫をリノベーションしたかっこよさに近い?
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ホテルニューグランドが超かっこいい。この建築も船っぽいファサードだね。
このコーナーや開口部の曲線美が最高。
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by canalscape | 2011-02-07 01:37 | LOFT・建築
2011年 02月 06日

「船→建築 ル・コルビュジェがめざしたもの」を見た

f0206739_22212680.jpg久々blog更新。すでに若干古い話だがまだまだ開催中なのでご紹介。
去年の年末に横浜の日本郵船歴史博物館で開催されている「船→建築 ル・コルビュジェがめざしたもの」を見に行ってきた。船好き、建築好きにとっては何が何でも見逃せない。建築評論家 五十嵐太郎さんの監修で、あの日本郵船旧本社を転用した歴史博物館での開催。

本展では客船のデザインが、建築の合理性を提唱した近代建築のプランやデザインに与えた影響を丹念に探り出しフューチャーしている。コルビュジェだけでなく、山田守などの日本を代表する近代建築家への影響も述べられており大変説得力のあるものであった。建築は意匠がある程度自由に選択できるゆえに純粋に航行する船としての機能とバランスの必然性の結果である客船様式に既存の建築様式から飛躍するよりどころを求めたのは自然な成り行きであるように思う。
一部ややこじつけ的な比較もあったが、屋上デッキ、煙突、白い塗層、窓、手すり、タラップなど建築ボキャブラリーごとに比較分析されているところがしびれますね。なんだか大山顕さんの「団地の見究」の分析みたいだ。団地もインフラとしての合理性がベースにあるからかどことなく船っぽいんだよね。ボリュームも横長板状であることや白い塗装であることも要因かな?

どうでもよい話だが、思い起こすと僕も初めてのプラモ体験はタミヤの戦艦陸奥、夏休みの工作は木工でノルマンディーもどきを作ってたっけな。娘がプラモを作ってみたいというので買ってやったのも偶然にも日本郵船 新田丸だ。氷川丸の姉妹船ですごく素敵なシルエット。
建築設計を職業に選んだことと子供の頃の船への憧れはとてもダイレクトに繋がっているのだと改めて認識した。そういえば昔の戦艦と工場って萌えポイント近くないですか?今の自分の趣向と子供の頃の趣向はあまり違っていないようだな。


さて、渡り廊下を通過して奥の展示室に行くと壁紙がセイムスケールの船の立面図で埋め尽くされているすごい展示室がある。船好きはこの壁紙見てるだけで30分は楽しめる。
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そしてコンクリート船を転用した救世軍宿泊所の貴重な映像記録が。恥ずかしながらコルビュジェが船の影響を受けていたのは知っていたが、こんなことやっていたとは知りませんでしたね。だいたいコンクリートで船ってすごいね。軽量コンクリートなんてなかった時代でしょ。ちゃんと浮くんだな、しかも90年もだぜ!

セーヌ川はバトファーというエリアに水上ヴィレッジがあり、クラブやギャラリー、事務所、カフェなどに使われており水上空間の文化が根付いているようですね。うらやましい。

横浜や東京にも戦後の住宅不足時には艀が住宅に使われていたようです。特に艀業に従事していた人々は家族で艀の船首または後尾の4.5帖ほどの船室に住み暮らしていたそうだ。
艀住まいの子供たちは家が常に移動しているという特殊な住環境のため普通の学校には通えず、水上学校というところに通ったそうだ。当時の水上生活者の様子は「水上学校の昭和史」に詳しく書かれています。今でも横浜の中村川には2隻の600tバージが住居として現役稼働している。
一隻は完全な住居、もう一隻は簡易宿泊所でその名も「北斗星」。豪華寝台特急北斗星とは対照的なスペースだな。当然日本では既得権によって黙認されているだけで、新規の設置はあり得ません。

そんなことに思いを巡らしながら気が付いたら閉館時間に。完全に意識がトリップしてしまった企画展でした。常設展も船好き港湾好きには見ごたえ十分。山下公園に係留されている氷川丸の内覧チケットパックもあるので、その気になれば軽く半日楽しめますね。こちらは建築ボキャブラリーであるアールデコを内装に取り入れた客船氷川丸。とても素敵な船です。
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by canalscape | 2011-02-06 22:53 | 書籍・映画・イベント