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2010年 04月 26日

バージ転用ラウンジ L.O.B 13号との別れ

随分遅い報告になってしまったが、長らく新木場沖12号貯木場跡の業務船船溜まりに係留していたLOB13号は実は昨年度末の2010年3月27日(土)千葉県袖ケ浦に曳航し29日に解体リサイクルされた。
経緯は3月にはいり、突然港湾局から係留させていただいていた業者に撤去するよう連絡が入ったことから始まった。理由は水面のまた貸しは違法であるということ。僕らはイベントが2週続けて入っていたのでそれどころではなかったため今年度中には何とかするとの曖昧な返事で逃げていた。しかし3月22日のBO菜イベントが終わったのを見計らったように再度港湾局から連絡。即刻撤去せよ!さもなければ告発すると。随分物騒な物言いだ。なぜ今になってそんな正論を言い出したのかよくわからないが考える暇も無く解体へ。
実は、去年の年末よりLOBの処遇についてはBPA内でも問題になっていた。イベントで使えるあてが無いのに係留代を払い続けていたからだ。しかし、今年度は横浜のBank ARTが一時的な係留に前向きであったので期待していたのだが・・・。

そんな中、突然別れが訪れた。あまりに急すぎて、BPAメンバーは山口以外立ち会えない状況。そんな中、大山総裁から最後のLOBクルーズに乗船したいとの申し出がありほっとした。最期を看とれるのが1名ではあんまりだ。3週続けてBPAに関わってくれた大山さんには大変感謝している。まさか最期を看とってもらうことになるとは・・・。この感覚を熱く共有できる仲間は貴重だ。当日のレポートはこちら
そんな訳で2名の送り人によって往復6時間弱のクルーズは実施された。
詳細はBPA岩本がまとめたtwitterをご覧ください。

このバージ船は尾竹型90tクラスという規格の13号という艀。全長21m、幅6mで今も神田川の唯一の定期便として神田川水道橋ゴミ収集所~潮見ゴミ処分場間などで廃棄物を運搬している。神田川や小名木川などの東京の運河ですれ違い航行できるようなサイズで設計されている。
下の写真は2005年の7月に横浜トリエンナーレ出展のために潮見にて購入検討をしたときのもの。なつかしい。
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これは動力がついておらず、タグボートでの曳航が必要。タグと艀に1名づつ必要なため、昨今はドライバー1名で済むプッシャーバージのほうが多いとのこと。その他、工事現場や川底の浚渫ではデッキバージを多く見かけるがいわゆるダルマ船と言われる艀はこの尾竹型だ。
高度成長期にはひっきりなしに東京の運河や隅田川を航行していたが、現在は需要が減っているため新規に造船されることは無く絶滅は時間の問題。それだけに、水上ラウンジに転用した空間利用は産業遺産の保存再生方法として社会的にも意義のあることと自負していた。そう、艀は日本橋の川の首都高同様、高度経済成長を象徴する産業遺産なのです。それを産業廃棄物として処分させてしまう役所感覚にはあきれるほかない。船内の内部空間は約70㎡。2LDK並みの広さだ。これを利用しない手は無いよな。欧米の水辺では皆有効活用しているのに。真の水辺文化定着への道のりはまだまだ険しい。

ちなみにデッキバージとはこれのこと。なかなかかっこいいね。
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by canalscape | 2010-04-26 00:33 | 報告・挨拶
2010年 04月 18日

川崎工場夜景バスツアーに参加してみた

川崎市主催らしい、バスで工場夜景を観賞する商品化ツアー
企画・運営 株式会社JTB
企画協力  川崎市、川崎市観光協会、夜景評論家 丸々もとお
にみんなで参加してみた。

今回は記念すべきツアー初日。生憎の暴風雨のなか満席で出発。
大山総裁のtwitterでの呼びかけで約30人の工場萌えが集合。定員が45名だからほぼツアージャック状態。この暴風雨、1人くらいキャンセルがいてもいいようなものだが、遅刻でこれなかった@damsiteさん1名のほか全員参加。他のお客さんはどんな方か?家族で来てた方や年配の方々も来られていたが、工場という感じではなかったかな。
大山さん、石井さんとの工場ツアーは一昨年の京浜運河工場クルーズ以来だが、工場好きのマニアぶりに圧倒された記憶がある。この分では雪が降ろうが、竜巻が起きようが、太陽が2つ出ようが工場に萌える態度は微塵も揺らぐことはないだろう。
やや遅れて、満員のバスは川崎駅をスタート。初日でまだ慣れていないと前置きしながら
明らかにプロフェッショナルなツアーガイドさん。肩書きはあくまで夜景ツアーガイドであって、決して工場ツアーガイドとは言わない。そりゃそうだ、本家工場萌えを前にしてそれはかなりプレッシャーがかかるスタンスだ。

さて、バスは最初のスポットマリエン展望台に到着。ここでいきなり不愉快な出来事が。
悪天候のためここでの滞在時間を延長し、その他外部での工場見学を短縮するとのアナウンスがあった。このマリエン展望台、昼は面白そうだが夜景はそれほどでもない。15分もいれば十分だ。それを40分も滞在せよというのはあんまりだ。
悪天候なのは皆承知で参加しているのだから余計な気を廻さないでほしいな。それとも自分たちがつらいからかな?テンションがすっかり下がった状態で次の有名な日本触媒の線路沿スポットへ。
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傘もさせないすごい風と雨。2月並みの寒さ。ガイドさんも口がこわばってしまっている。そんなコンディションでも工場萌え御一行は全く動じることなく、工場に萌える。まさに五体投地、チベット聖地巡礼だ。ガイドさんはカルチャーショックに近いものを感じている様子。しかも写真のとおり、女子が実に多い。暴風雨の工場地帯に工場に萌える女子の団体。すごい光景だ。その後大山さんのクレームで、時間短縮はしないことに。
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しかし工場を眺めていると気分が高揚するな。一種のドラッグだなこりゃ。
すっかり気分が良くなり川崎臨港倉庫屋上へ。バスを降りたところで写真を撮るなと何度も念を押された。降りてみると・・・おっ!すごい。これはカメラを向けてしまう。完全に工場マニアを警戒している。
警備員に警備され速やかにEVで屋上へ連行。
来た―!京浜工業地帯のカイラス山?いままで船からしか拝めなかった聖地が目の前に!
一同暴風雨の屋上で歓声を上げる。フェンスにかぶりつきだ。
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この高いフェンスさえ無ければパラダイスだがそのまま工場に向かってダイブしてあっちの世界に行きかねないので仕方ないか。撮影に邪魔でしょうがない。
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JTBさんと他のお客さん完全に引いてますが大丈夫ですかー?
さすがに僕も耐えきれず早めにバスに避難。大山一派以外は皆さんすでに着席済み
だが、大山組は誰も戻っていない!恐るべし工場萌え。

完全にハイになったところで東扇島へ。
しかしあまりの風雨の強さにさすがに小生もギブアップ。@g-standさんと早々に退散。まさに地獄のフレアスタックだ。皆、時間一杯までフレアスタックに萌えている。

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ここまで来るとガイドさんもヤケクソだ。とことん付き合う覚悟はさすがプロ。
まさかこんな初日を迎えるとは誰が予想しただろう?他のお客さんには、今回は特殊な団体さんなので・・・と夜景鑑賞派にいい訳してたが。これが工場鑑賞ですよ、安易に夜景鑑賞とまぜこぜにすると痛い目に合う。
今回、プレスが多数来ていたがどのような記事にするつもりか?夜景鑑賞が工場鑑賞に
完全に呑まれているのは明白だ。

さあ次はクライマックス。首都高川崎線を走行しバスから工場群を鑑賞。
バスの照明を消し、ゆっくり走行。BOSSのCMのあの光景をLIVEで。
これはすばらしい体験だ。車高の高いバスならではの体験。雨で窓が曇っているのが
残念でならない。

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そんな感じで後半はまずまずのツアー。旅行会社主催の商品化されたツアーとしてはがんばってると思うな。もう少し工場鑑賞派のスタンスに立ったオペレーションにすれば3200円の価値は十分あると思いましたが広い客層をカバーしようと、僕らのような客層には物足りないツアーとなる。事業性と趣味性の特化はやはり相反してしまう。この点はなかなか企業主催のツアーでは乗り越えられない部分かなと思う。
これは、工場夜景ジャングルクルーズでも感じたこと。広い客層を対象にしているため、今一つ食い込み方が足りない感じがしてしまう。ぼくもサラリーマンなので事業となるとこうならざるを得ないのはよくわかるし、これで十分お客さんは来てくれるのだから十分良くできたツアー商品ということになるのだろう。

このような商品化ツアーに参加してみると、僕らBPAがやっている1回性のイベントクルーズのような非営利ツアーのとるべき立ち位置もよく見えてくる。次は何をやろうかな。
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by canalscape | 2010-04-18 03:22 | テクノスケープ
2010年 04月 15日

BO菜#2 船橋港から船で野菜を運ぶシュミレーション

前回の続き。
今回僕はBコースの東京湾横断クルーズとDコースのBO菜船着き場クルーズを担当。船橋の漁港から漁船で夢の島に届けられた救援物資を内陸部の深川まで船で届けたいというのが一環した趣旨。東京の内水河川には50か所以上の防災船着き場がある。これら日常使われていない施設を有効に使っていこうというのがBPAの基本方針である。今回は船を使って実際に救援武物資を届けたイベントのレポートである。コースマップはこちら。
下は当日配布の防災船着き場マップと今回のコースマップ。カシミールをカスタマイズし津波の被害を受けやすい低地エリアが一目でわかる。また、高潮津波被害から低地を守る水門や外郭堤防もプロットされている。今回も杉浦作。
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今回、船橋農協及び漁協に協力をいただくことになったきっかけは、BPAの井出が以前のNPOでの関係で知り合った船橋市で農水産関係のお仕事をされているHさんとの繋がりから始まっている。今回Hさん完全な個人的な活動とのことで名前は伏せておきますが、モチベーション高いですね。彼らの思惑としては、船橋特産の小松菜をアピールできる場が欲しいということと、船橋漁協の紹介。それとHさんが以前から付き合いのある漁協組合長であり、NPO法人Bay Plan Associats (奇遇だが略称BPA) という組織も運営されている大野一敏さんを紹介いただき実現した。大野さんは最後の狩猟民族である漁民や漁村から始まった船橋の歴史、遠浅で一級の漁場であった江戸前水域についての見識も深く、これら漁業の歴史や現在をNPO活動を介して広く紹介し、今後の東京湾のあり方に提言していきたいとの思いがあるようだ。ぼくらも、こんな都心に近い場所に近代化された漁港があり今でも漁業が営まれていることは全く知らなかった。今回運行いただいた漁船 大平丸は主にイワシ漁をしている船で伊豆下田で建造されたもの。江戸前の浅い海を航行するため、スクリューの無いウォータージェット式のVOLVOのエンジンを搭載している。中にはクルーザー並みのキャビンもありカナダや米国のフィッシャーマンという趣。
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このとても素敵な船を使って、各種クルーズ企画を開催しているらしい。積んでる酒も日本酒ではなくワイン。食事は地元魚介を使ったブイヤ―ベースと洋風だ。僕らの想像している漁民や漁船のイメージは完全に裏切られた。でも大漁旗や漁協コミュニティーの濃さは想像通り濃い感じでした。確実に言えるのは、彼らも社会や都市のあり方にコミットしたがっていること。このようなイベントを介して連携していくと思いもよらない新しい展開に繋がる可能性がある。

この船橋港だが、googleでみた感じ、大規模な船だまりが確認でき、以前から気になっていた場所。今回こんな形で訪問する機会が出来ラッキーであった。この船橋港、ららぽーとやIKEAなどの巨大商業施設、団地に隣接しており、生活空間の極めて近い立地にあるのが特徴。特に戸建て住宅街も隣接しているのが意外。このあたりにかつて漁村であった面影が残されている。普通湾岸には工場、倉庫、団地、その跡地のショッピングセンターやタワーマンション、高速道路しか無いからね。住宅地が近いので、港の入口にはしっかり水門が設置されてました。そんな興味深い船橋港こんどゆっくり探索したい気分。
そんな船橋漁港に以前年越し派遣村が開設された日比谷公園前よりバスで出発。車中品川港南地区のタワーマンションの管理組合長 吉武さんに高層難民とまで言われているタワーマンション街の防災対策についてレクチャーいただいた。真面目な防災話はこの部分くらいだったが、これでいいのか?
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船橋には京葉道路でわずか30分ほどで到着。近いな。個人的にはこのバスは余計だったような。船橋集合でよかったのではと思うが、内部でいろんな意見が・・・。結果3000円と言うのはなんだかね。参加の皆様にはほんと感謝してます。ちなみに利益は全く出ていませんので念のため。

さて、ここ船橋は、今回も参加いただいた大山顕さんのホーム。でもあんまり馴染みがなかったみたい。今日は大山総裁「ドボクから農業へ!」記念すべき1枚(笑)。なんと現代美術家の藤浩志さんも来てくれました。
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今回も新たな仲間を連れて来ていただき遊び倒してくれました。みなさん、春野菜らしく、色とりどりですね。5レンジャーか(笑)。モモレンジャー360°ビデオ、黄レンジャーtwitterにとフィールドワーク開始。
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この手のイベントは楽しませてもらおうという受け身のスタンスだと満足感を得られないと思う。彼らのように、映像サンプリングやtwitterの試行などライフワークに利用する位でないと面白くなかったかもな。あとフリーランスのジャーナリストのお姉さんめずらしい漁民生活に出会えてネタが収集できたみたいで満足げ。
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現地では大野さんより江戸前漁場と船橋の歴史と現在の港のレクチャーをいただき、野菜を詰め込み船橋を無事出航。ウォータージェット早い早い。
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全くゆれませんね。船の上で参加の皆様と野菜のディスプレー。みんな積極的に動いてくれてほんと助かります。
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船から連絡を入れ大漁旗を設置いよいよ夢の島マリーナに入港。KAZZさんの太鼓に迎えられ派手な着艇。みなさまお疲れ様でした!
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その後、会場で船橋魚介と小松菜を使った防災フードでランチ。こちらは全くタッチしていないので状況わからず。結局味見もできず、時間も無い昼食抜き。次の企画準備。タイト過ぎる。なんでこんなことになっているんだ。しかも何故か次の企画の言いだしっぺ井出がフェードアウト。どうなってるの?僕は船のナビゲーションと撮影をするつもりだったので、パニック。急遽墨屋を同乗させ深川に向け出航。そんなことでバタバタ企画に。おはずかしい。今回も地図だけはかっこいいな。でも現場の潮の状況を読んで急遽コース変更。かっつり内部河川の迷宮感を楽しんできました。その後の詳細はBPA HP NOTEをご覧ください。

さて、今回いろんなアイデアと思惑が入り込んでしまい、結果同時多発的かつ極めてタイトなスケジュールのイベント形態となってしまった。BPAメンバーも誰も全体像を把握できていない状況。事後、blogやtwitterで状況を何となく認識できた次第。構想が大きく身の丈を超えたイベントであり個人的には不満がのこった。参加者が協力的であったため無事終了したが、ちょっとしたことでクレームの山になりかねない要素が多分にあったと思う。

今回の企画を介して発見できたことに同時多発イベントで多方面から一か所に集まってくる企画にはtwitterはかなり有効だ。各イベントに中継係がいて、全体をまとめる管制官がいるとこれだけ広範囲にわたる移動型イベントでも全体像が把握できるのではとの意見を@errieさんや@hachim088さんからいただいた。万一トラブルが発生しても管制官が周知し、適切な情報を現場に送ってくれる。ヒューストンとアポロのような通信設備は無くても、誰でも参加できるtwitterで気軽に通信できるのがいいかもね。
これは午後のBO菜船着き場クルーズのように、橋や陸上とのMEET企画でも同様に有効である。実際、震災時は同時多発的に大量移動が起こるはずだ。いったい何処が防災拠点になり救助船が来るのか?最も近い場所をtwitter内で発見できる可能性があるのかもしれない。まあ、アンテナが無事だったらの話だけどね。バッテリーの問題もあるね。水、毛布、雨除け、トイレの次位に重要な問題だよな。
次は海上アポロ13計画かな。
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by canalscape | 2010-04-15 23:53 | クルーズイベント
2010年 04月 12日

LIFE ON BOARD BO菜 #1 「なぜ 防災+アート+船なのか?」

2010年3月22日(祝)快晴。前日の嵐が嘘のような晴天ぶり。不思議なほど毎回天気についている。ついに複雑極まる同時多発イベント「BO菜」BOATと野菜が被災地を救う?が始まってしまった。
防災イベントをやるそもそもの発端は、2005年横浜トリエンナーレ出展後にBPAが所有していたLOBというバージ船を改装した水上スペースを係留するための名目として、防災ステーションにしていこうとの発案から始まっている。公共空間である運河水面への係留利用は、公共性の高い期間限定のイベントでしかあり得ないというのが、国土交通省や港湾局の見解であった。僕らは官庁主導の固く啓蒙的な防災イベントでは無く、アートや音楽を取り入れ文化性があり親しみやすいイベントとして開催しようとしてきた。この方針で2007年5月にバンクアートで開催された地震EXPOでNYKの護岸に、2007年3月から4月までは「内閣府都市再生事業調査」として品川区大井競馬場の閉鎖されている水上バス乗り場に、2007年9月に「国土交通省主催の防災フェア―」にて横浜赤レンガ倉庫前にLOBを係留することに成功してきた。
ちょうど、新潟の地震などがあり、行政が防災意識を高めるために防災イベントの開催・参加を推奨していたことや、デザイン業界や建築教育の世界でも社会性のある、防災グッズのデザインや防災シェルターのデザインが注目されており、「防災」は旬なキーワードであった。ストレートにアートやデザインに社会性を持たせることができ、アート・デザイン業界から見ても意義の高いイベントとなり、行政や財団も助成金を出しやすくアート業界と行政という親和性の低かった双方の思惑が合致するまれな事例であったと思う。

僕らは、たまたま水面利用の観点からアプローチしていたらこの波に遭遇したというのが正直なところだ。阪神大震災の時、陸上の道路は寸断され救援物資の搬入や帰宅困難者の移送が困難な状況であった。しかし海上利用は効果的であり、水上バスや屋形船が大活躍した。それらの教訓から、東京でも防災船着き場の設置や防災護岸の整備に力を入れてきた。しかし、それらの存在は市民への認知度が低く非常時に有効に活用できるのか疑問である。また、日常これらの施設が全く使われていないのはもったいない。日常の中で有効に利用していくべき、たとえばLOBに防災物資を備蓄し、普段はカフェとして営業してこの場所の認知度を上げていくなどがBPAのアイデアであった。この考え方は行政側にもアート業界、マスコミにも受けが良く期間限定で実験的に係留することができた。しかし、港湾局はバージの係留には強い懸念を示しており、その後実施することは無く今日に至る。
以上のような、話すと長い経緯があり今回の「BO菜」に至っている。BPAは震災ボランティアや防災そのものにについてあまりコミットしていないが、非常時の船利用、桟橋利用については本気で有効と考えており、それらを絡めることで行政の縦割りや高いハードルを越え、水辺の解放に向かうのであれば、大いに活用してやろうとも思っている。

そんな経緯で東京アートポイントの中でも実施することになったのだが・・・。

当初のイベント候補地は湾岸のタワーマンション群の中心地品川港南地区の東京海洋大学マリーナであった。本来なら実際の防災桟橋を使用するのがベストなのですが、桟橋利用は地元組織のイベントか官庁主催のイベントでない限り、使用することが極めて困難。また、船を長時間係留したり、飲食を行ったりすることがほぼ不可能なのが現状の官庁の考え方なのです。いくら東京アートポイントが東京都主催の企画であっても縦割り行政の中では歯が立ちません。そのようなお粗末な状況を回避するべく、芝がありフェンスの皆無な貴重な水辺空間である海洋大学のマリーナを利用させていただこうと思っており、そこならよりリアルに非常時の舟運利用を体験できたでしょう。しかし、残念ながら落水などの危険を理由に大学側の許可を得られず断念。アカデミックな組織である大学でもこのようなフェンスの無い水辺を不特定多数に開放することは抵抗があったようです。残念!
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それでもあきらめないところがBPAのしぶといところ、お金を払えばビジター艇を受け入れられるマリーナなら法令上なんの問題も無いはず。夢の島マリーナのビジターバースなら文句なかろう。マリーナ側にとっても普段縁の無い方々がマリーナを訪れてくれるのは悪い話ではないはず。この目論見は見事に当たりマリーナ側は歓迎してくれたが、施設は港湾局の保有であるため
最終的には港湾局の許可が必要とのことであった。またまた港湾局、許可を申請したがなかなか下りない。許可できない理由は見当たらないはずだが何故なのか?暗雲立ち込める中財団側から再度催促をお願いし、最終的にはなんとか許可いただいた。
さて、めでたく開催地が決まったのだが、いかんせんマリーナ周辺にはタワーマンションも市街地も無く人気がない。世界の港湾都市では一等地にマリーナがあるものだが、日本ではだいたい昔都心にあった舟溜まりは排除し、辺境の地に整備されたマリーナを設置しているケースが大半だ。しかし、ここまで参加者を誘導してくるのは至難の業。一難去ってまた一難である。
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この辺境の地にスムーズに誘導するにはやはり舟運が最適だろう。この地を震災時避難キャンプと見立て、都心の被災地から船で脱出してくるというストーリー。また、そこでは廃材とブルーシートでシェルターを設営し、炊き出しもされている。食材や救援物資は東京湾に面する近隣都市から船でこのキャンプ地に搬入されるというシナリオを設定した。
そこには、脱出、救援、避難所生活、非常食、舟運利用などのほか、震災時の癒しの必要性も提案されていた。東京アートポイントという生活の中にアートを提案する部署の共催であるのでアートを入れ込むことが必要であった。今回は、船上でのリラックスしたKAZZの音楽や作家 坂口恭平の「0円ハウスの作り方が」それにあたる。また、葉山の「UMIGOYA」からわざわざ出向いていただいたメイン会場のテントやフードコーディネーター福井純代を入れた非常時の食の提案などもアートの文脈にあたる。
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そのほか、近隣都市からの救援物資の輸送については船橋農協及び漁協の協力があり、農協からは船橋名産の旬の野菜「小松菜」を中心とした野菜BOXを、漁協からは会場で出されたブイヤーベースの魚介の提供とウォータージェット漁船「大平丸」の協力などがある。これらは産地直送、生産者と消費者の直接対面というメリットにおいて協力いただいた。
これら、それぞれの思惑が絡んだため、同時多発的な複雑なプログラムとなってしまった。
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これら多様な要素が入り込むことで従来の防災イベントとは違った雰囲気になり親しみやすくなったとことは確かだが、反面公費を使っているのに真面目な防災体験が少ない、イベントが複雑で判りにくい、コンセプトが判りにくいとのご批判もあるかと思う。個人的には、ライフワークとして「防災」や「被災地救助」に関わっているわけではないので「防災」という錦の御旗を利用したお祭り騒ぎに同調しかねる部分も多分にあったし、「防災」イベントと言えば審議の通りが良く予算がついてしまう行政の能天気さにも違和感があった。また、いろいろな要素が入り込み過ぎており、スケジュールが過密でコンセプトやメッセージが判りにくいため、もっとテーマを絞り込むべきとの感想を持っていた。
しかし、やってみて初めて見えてくるものも確かにあり、参加者から新しい視点を提示されることも多分にあった。その一つは「通信」と「同時多発移動」であった。続きはこちら

BPAオフィシャルblogはこちら
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by canalscape | 2010-04-12 00:07 | クルーズイベント
2010年 04月 06日

LIFE ON BOARD 江戸の水迷宮クルーズ

2010年3月13日(土)快晴だが南西の風強し。運よく今回は運河内のコースがほとんどであるため実施できました。豊洲運河や隅田川で向かい風がつらかったが、気温も高く天気に恵まれた。
今回も前回の東京低地クルーズに続いてE-BOATを組み込んだプログラム。
参加人数はイベント関係者も含め約80名、午前午後とも乗船定員いっぱいの人数でした。
参加いただいた皆様ありがとうございました!
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今回の企画は午前午後ともE-BOATを組み込んだため、より複雑なスケジュール調整を要した。乗船出来る桟橋が限られているため、合理的なコース取りが難航。結果、どうしても3時間が必要という結論となった。
皆さん文句も言わずよく付き合ってくれました。
この水域は、運河好きには見るべきモノが多くありジックリ廻りたいエリア。しかしながら使える桟橋は天王洲ヤマツピアと勝どき朝潮桟橋(午後からしか利用不可)のみ。相変わらずの貧相な桟橋状況です。しかもどれもこれも駅から遠く分かりにくい場所ばかり。Google mapが無い時代ならたどり着けないよ。皆さんよくたどり着けますね、感心します。
そんな訳で今回も船会社さんに無理言って、E-BOATを曳航し途中で乗り移り、コース回航後また動力船でピックアップするというとんでもなく面倒な仕事をお願いした。普通やってくれないですよこんな事。しかも女性スタッフ2人のみでのオペレーション。萌えますね。
では何故そんなことしてるかというと、E-BOATを降ろせる場所が適切な場所に無いので仕方なくやっているのです。手漕ぎボートで廻るのに適した水域である浜離宮周辺水路に無理なく行ける位置に降ろせる場所がありません。古川についても同様です。これが現在の東京の運河の現実です。ぼくらBPAは魅力的な水面には合法的かつ安全に入り込み、楽しんでやろうと思っています。参加の皆様は実はかなり実験的な水域利用に加担しているのです。こんなに楽しい「公共水面」があるのに使わない手はないですよ。
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今回のテーマは江戸の水迷宮。浜離宮や古川など江戸時代から利用されていた水路を巡るため「江戸」がついた。あと東京都や歴史財団の受けがいいですよね。歴史ネタは。実際「迷宮」感を作り出している芝浦地区の運河や勝どき地区の運河の生成は比較的新しく大正末期から昭和戦前にかけての時期なので江戸ではないのだが・・・あまり突っ込まないでいただきたい。水迷宮って響きがいいでしょ?BPA墨屋のアイデアです。
そんな経緯で今回は人文社さんに許可をいただいて天保14年の江戸古地図を使わせていただいた。現在の地図と比較すると、埋め立ての経緯や運河が造成されていったプロセスが何となく感じられると思う。古地図って面白いですね。現在版の運河マップはBPAが2004年に結成され最初にやったリサーチで作成した品川・芝浦エリアの地図の簡易版。品川観光協会からの依頼で作成しました。その当時はこの活動がこんなに長く続くとは思ってもいませんでした。ただ、船を使ってこの豊かな運河を使い倒したいとの欲求のみで週末集まってやってましたね、坂倉君がイラレで華麗に作成してくれた、なつかしい。この水域はBPA発祥のエリア、芝浦アイランドが出来、品川浦の船が少なくなり、TYハーバーに水上ラウンジが出来・・・いろいろ施設が整備され随分変わりましたが、相変わらず水上で遊んでる方はごく少数です。
今回も前回の東京低地クルーズに続いて地図好きの杉浦さんに地図製作をお願いした。お陰様で情報はかなり削って整理していますが、見やすい資料になったと思うがいかがでしたでしょうか?
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E-BOATも前回と同様、旧知の浜田さんにお願いし快諾いただけた。毎度御世話様です。
その他、写真を千葉大小林君と杉浦さんに、動画を厚かましくも「東京静脈」の野田監督にお願いしてしまった。出来上がり楽しみです。そしてレポートは大山さんじゃ豪華過ぎですね。

今回も参加者の皆様が協力的な方ばかりだったので、複雑なプログラムに関わらず、時間内に無事故で終了できました。しかも各自楽しみ方を考えてきており、遊び倒してくれました。特にtwitterでの船上生中継をしている方が数多くいらしたのが新鮮でしたね。午前午後通しで7時間も参加した猛者も結構いらっしゃいました、お疲れ様です。あと大山顕さんやBPA山口が360度魚眼レンズビデオ「SONYブロギー」?での撮影を実施。対応早いですねー。常連の@mechapanadaさんはE-BOAT用にヘルメットにカメラつけてきた。みんな積極的だ。
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僕は噂のtwitterが身近に出現したことに衝撃を覚え、早速次の日にエントリーしてみた。Blogとは違う使い勝手であることは良くわかりましたがなんだかせわしない(笑)。
こんな感じでこのイベントを有効に使ってもらえるとこちらもやりがいありますね。今後も参加の皆様とコラボレーションしていけるのが理想です。運河や船の使い道はまだまだ開発途上ですよ。

◆当日写真をUPしました。ご覧ください
午前の部 ABコース

午後の部 CDコース

◆イベント詳細は下記の参加者及びスタッフblogをお読みください。

大山総裁
http://portal.nifty.com/2010/03/19/b/
Mechapandaさん
http://mechapanda.seesaa.net/article/143834971.html
http://blog.moco-moko.net/
ART SCAPE JAPAN
http://www.dnp.co.jp/artscape/eng/ht/1004.html
twitterまとめ
http://twilog.org/yujiym/hashtags-bpatour
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by canalscape | 2010-04-06 00:21 | クルーズイベント