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2009年 10月 25日

港湾風景とG.R.L水上パフォーマンス

前回のつづき。今回は10月31日から1カ月開催されるCREAMヨコハマ国際映像祭の招聘作家G.R.L グラフィティー・リサーチ・ラボ(名前がかっこいい!)の開発したオープンソースを使って、映像祭スタッフが実験を行った。このグラフィティーシステムだが、レーザータグで描いたものをカメラで記録しPCを経由しプロジェクターで壁に投射されると、描いた軌跡がしっかり残るというもの。スプレーで描いたら大変なことになるが、このシステムなら光を投影しているだけなので問題ない。

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しかしこの行為、結構ドキドキする。こんなところに本当に描いてしまっていいのだろうか?なんか工場や倉庫の警備員に通報されないだろうか?外国籍の船に描いたら国際問題にならないだろうか?など夜の運河では結構こっそりひやひやする空気がある。もっともカメラでガツガツ撮影していること自体あまり大っぴらにはできないことなのだから当たり前か。このような行為はいちいち許可を取ってなどしていてはいけない。ゲリラ的に即行でやらなくてはスピリッツが死んでしまう。ここは人目がない夜の運河なのだ、自由にやりたいものである。
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このGRLのオープンソース、世界中の都市に布教しているようだ。作家が操作するのではなく、世界中の一般人に自由に使ってもらえることを趣旨としている。日本ではGRL Tokyo、GRL Kyotoなどの現地団体ができている。なんかここらへんもゲリラっぽい。
なぜ今回GRLのパフォーマンスを水上から行う話になったのか?一つには、映像祭のテーマの一つに「海としての映像」が謳われていることがある。今や映像は海のごとく世界中に繋がっていると。確かにWEBを介して無限に映像の海は広がっている。
横浜は港湾都市だ。昔は港が海外への窓口であり、横浜は日本では最も世界に開いた都市であった。そんな港湾都市横浜らしい風景って、やはり運河や港湾の倉庫街だろう、東京なら渋谷のスクランブル、横浜なら港湾だ。そんな訳で、たまたま横浜の港湾風景を船で巡り、新たなアートフィールドを模索するなどのクルーズを仕掛けているBPAに話が来たのだと思う。港湾の特徴的、象徴的な場所にマーキングすることでより鮮明にその場所のポテンシャルが記憶されるのではないかと思う。この試みがアートの文脈でどのような意味をもちえるのか僕にはわからないが、何かしらの意義はあると思う。とにかくやってみよう。そんな訳で、予算0の我々の自己負担でこの水上パフォーマンスは10月30日(金)プレスのみ、11月7日(土)に開催される予定。
そんな経緯で、映像祭スタッフが今回便乗したのだが、我々関係者が熱くなってしまいホスピタリティーがおろそかになってしまったことをお詫びする。いつものリサーチクルーズとこのようなアクションクルーズは、BPAの中では一貫しているのだが、参加者の求めていることは必ずしも一致していないのだということをアンケート調査や当日の空気で何となく感じた。やはり、一般的には趣旨の異なるイベントを同居させるのは好ましくない、企画はシンプルで明快にするべきとの教訓を得た。しかしながら、限られた予算と時間の中ではこのように企画をオーバーラップさせていかないと廻らない現実もある。
次回、本番はコースをコンパクトにまとめ、趣旨を明快にし、晩秋の夜の運河を1.5時間彷徨います。BPA初のコラボクルーズ、若干エンターテイメント性のあるものにしたいな。
参加される方は、真冬の装備で参加ください、夜の運河は冷えます。申し込みはBPA HPから

◆その他CREAM関連予告
BPAのクルーズから運河風景を撮影し、映像作品を制作している高橋ジュンコさんと、日本橋川・神田川の船からの映像で有名な「東京静脈」 (2003年森美術館の世界都市展で上映)を監督された野田真外さんの「横浜の川」とその他の川映像がCREAMヨコハマ国際映像祭で「移動する視点」というテーマで新港埠頭会場の1コーナーに展示される予定です。楽しみです。
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by canalscape | 2009-10-25 01:24 | クルーズイベント
2009年 10月 25日

中秋の名月と京浜運河工場風景

10月3日満月の夜に京浜運河工場クルーズを開催した時のメモ。またしても、随分時間が経った後の間抜けな記録。今日は天気も悪くまた特に予定もないため珍しく家にいるので書いてしまおう。
イベント当日は前日まで降水確率70%の予報であったが、直前で日没以降雲が切れるとの予報に変わった。ほとんど中止を想定していたが、ツキがあったようだ。予報通り、夕刻には雲が切れ始め、丸いツキを拝むことができた。前回9月のクルーズもそうだが今年は天候に恵まれている。特に日ごろの行いが良いわけではないのだが神に感謝。このまま無事故で終わりたい。
今回は、当初、工場夜景ジャングルクルーズでは行かない、川崎京浜運河の奥の奥まで行き、コンディションが良ければ羽田D滑走路の金属の列柱を拝みたいと思っており、時間を2.5時間で設定していた。この欲張り企画、今回BPA関係者が多く、一般募集の枠が少なかったこともあるが、募集してわずか2日で10人分埋まってしまった。いつも日程をいつにしようか迷うのだが、知人の満月を見たいとの要望があり3日に決定した。満月を水上で見たいとの要望は実は昔から多くいただいていたのだが、なかなか実行する機会がなかった。前回磯子の海上で偶然満月に遭遇し、工場との見事なコラボに感激したが、川崎工場エリアではどんな感じに見えるのか楽しみにしていた。京浜運河の夜景は以前ジャングルクルーズで経験していたが、磯子の工場夜景とはかなり性格が異なっている。華やかさでいったら磯子が断然上なのだが、川崎の工場は年季というか重低音ダブサウンドのような感がありこれはこれでなかなか迫力がある。ぼくら以外は全く人気のない異次元だ。工場の鼓動が不気味なモンスターのように感じられる。
浮島のフレアスタックが異界への入り口だ
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中国籍の巨大船
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悪の帝王のようなモンスター
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まるで女王のような貫禄と優雅さ、東亜石油コンビナート
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デルモンテのグラフィックが美しい。現実に戻ったようなほっとする光景
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今回は、月の出が16時と早めであったため、僕らが海上についた頃はかなり高く上がってしまい、昇りかけの大きな月を見ることは叶わなかった。ちょっと残念。でもまるで映画のセットのような非現実感は十分に味わえたのではないかと思うのだがいかがだったでしょう。
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おまけのD滑走路沖は本牧同様波が高く、難所となっているようだ、今日のように前線通過時のうねりが残っている日は船会社から断られ行けなかった。時間的にもちょっと無理だったかな。ここは東京からも遠いし、波は高いしでツアーではなかなか気軽には行けないんです。
そんな訳で今回は、太師運河最深部の船溜まりまで行き、千鳥運河、塩浜運河を通過し横浜に戻った。運河のスケールが大きなため、いつものような細い水路を抜けてゆく独特のノリとは違った感じであった。帰りがけ、今回便乗している横浜国際映画祭のスタッフがNYのグラフィティー作家G.R.Lのレーザータグを使ったグラフィティーシステムを持ち込み実験を行った。水上からのパフォーマンスは初めてのため、関係者はかなりテンションが上がっていた様子。実験行為はノリ出すと途中で歯止めが利かず、納得いくまでやってしまう。そのため時間が30分もオーバーしてしまい、かなり冷え込んだ夜の運河に3時間も皆さんを連れまわすことになってしまった。この話は長くなるのでまた次回。いろいろと反省している。
今回の様子は最近よく乗ってくださるNさんが下記blogに動画をupしてくれています。なにげによく編集されてて感心してしまう。ぼくもちょっと動画やってみたいが編集が大変そう。

http://mechapanda.seesaa.net/article/129508218.html
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by canalscape | 2009-10-25 00:55 | クルーズイベント
2009年 10月 10日

水都OSAKA探訪 #5( 水の回廊クルーズ)

大阪訪問から随分時間が経ってしまったが、これも記録しない訳にはいかないだろう。大阪の象徴的都市運河である「水の回廊」クルーズ。「水の回廊」とは堂島川、東横堀川、道頓堀川、木津川を経由する四角形の運河のことだ。1周は約2時間、クルーズには実に程よい規模なのである。しかも4つの運河の景観はそれぞれ性格が異なっているため、程よいシーンの展開があり飽きることがない。船がすれ違うのに必要最小限の川幅であるため都市との一体感が高まっているのも重要な項目である。その他、パナマ式ロックゲートが2か所あり絶好調である。この回廊を1周できるクルーズがあるというので、予約しておいた。大阪水上バスのアクアminiという平べったく、オープンエアーな船、低い橋の多い都市河川クルーズには最適なクルーザーである。関東にはなぜかこの手の船が少ない。東京では僕らが日本橋川クルーズで使った船が1隻のみ、横浜では横浜キャナルクルーズで使用している船1隻のみと、東京・横浜に1隻づつしかないのだ。なぜか、大阪にはコンパクトで平らな船が数多く存在しており、この点でも東京・横浜は負けている。そんな訳で勢い余って、初日の夕方便と2日目の昼便と2本も予約してしまった。カヌー体験会も含めると2日で5本も乗っており、ほとんどクルーズに時間を費やした。家族がよくついてきたものだと感心。
さて、初日は御舟かもめに乗った後すぐに大阪城の桟橋へ移動。明石焼きを食べた後アクアmini乗り場へ。そこで重大なミスを犯してしまった。乗船時間10分前に行ったため、すでに先客がおり最前列には座れそうもない。たこ焼きなど食べてる場合ではなかったのだ。と言いながらもなんとか2列目を確保。この便は道頓堀湊町まで約1時間のクルーズ。道頓堀につくころには暗くなっており大興奮のクルーズであった。

2日目の昼のクルーズは道頓堀のさらに先に行き、堂島川を経由し大阪城桟橋までぐるっと一周するツアー。
こちらは早めに来て、最前列を確保。

以下夜便、昼便写真がごっちゃだがこんな風景のクルーズだ。

大阪城桟橋を出航しOBPの超高層街区、中之島、川の駅八軒家浜の大混雑と巨大アヒルをのぞむ大川を航行。いわば川の表参道だ。
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よしや橋をくぐると、いよいよ裏路地的水路東横堀川だ。いきなりロックゲートが現れる。大阪らしい、いろんなお祭り船とすれ違う。高速道路橋脚の列柱空間がすばらしい!完全に裏側感のある水辺空間。
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その後コーナーを右折し道頓堀川へ。日本橋をくぐると、いきなり出来たての親水空間「とんぼりリバーウォーク」へ。このヒューマンスケールな親水空間はすばらしい。大阪の派手なネオンは健在、水面に映りこんできれいだ。
船上でJAZZをやってますね。
まだ水辺のプロムナードができて日が浅いため、ほとんどの店舗の地上階は川に閉じたままだ、今後の建て替えが楽しみだ。きっといい水辺になると思う。
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工事中の橋の下は、まるでアートのような空間
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おっと、船みたいな建築。水面に極めて近い店舗空間?丸窓が船っぽいが、法的にどうなってるのだろう?
一般的には水面レベルは土木の範囲で公共施設なのだが。この建築かなり特異です。
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湊町などの再開発された施設は大々的に川に開いている。ゆったりとしたウッドデッキや空中庭園のある「浮庭橋」、隣接した商業施設「キャナルテラス堀江」や大階段のある複合施設湊町リバープレイス、どれも土木と建築が融合しヒューマンスケールな良質な空間であった。大阪の水辺プランニングはなかなかのもんですよ。まいりました。
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2日目はその先のヨーロッパにありそうなモダンなデザインの道頓堀川ロックゲートを通過し京セラ大阪ドーム前の交差点へ。大阪ドームってすごいランドマーク。道頓堀川水門は大阪ドームに合わせてデザインされたとか?木津川は川幅も広く人気があまり感じられない。ちょっと退屈。ここまでくるとかなり港湾的要素が散見される。
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木津川から堂島川へ入る交差点付近。この住友倉庫、要塞みたいですげーかっこいい。
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堂島川の重厚な橋ですが、神戸の大震災時に地盤沈下で若干沈下してしまったらしい
本当に低いです。くぐるの大変。
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とにかく楽しいクルーズだった。都市河川クルーズにはこういう船が便利ですね。

水都OSAKA、船三昧の充実した2日間であった。とても廻りきれないほどいろんな企画が同時開催されているし、BPAで話していたアイデアのかなりのものがすでに実現されている。水辺をテーマにこれだけ大規模なイベントを開催したのは、日本で初めてではないだろうか?東京より都市がコンパクトなのも幸いしているのかもしれない。世界有数の巨大都市東京にも運河はまだまだ残っている。
どのようにこれら資源を使っていくべきなのだろうか。BPAのやるべきことはまだまだありそうだ。とても良い刺激になった水都OSAKAであった。(完)
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by canalscape | 2009-10-10 23:11 | 舟運・桟橋