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2009年 08月 11日

LIFE ON BOARD action-resarch cruise (#3 日本橋首都高景観)

只今、夏季休暇で下田にいます。下田には1年で数回訪れるヘビーリピーターです。
かれこれ7年ほど続いていますが極上のビーチと波、カジュアルな宿泊施設、意外と豊富な食文化は飽きることがありません。機会があればいろいろ紹介したいです。


f0206739_17105332.jpgさて、今回は日本橋川を覆う首都高移設問題について。この問題、かなり前から撤去運動があったが、韓国ソウルの清渓川上空道路の撤去計画で、河川を地中化し地上には清流のせせらぎと親水公園が整備されたプロジェクトの成功を引き合いに、日本橋でも撤去運動がより盛んになった。さらに小泉内閣の時代についに大々的に首都高の地中化が公約として発表されたため一躍有名になったのは記憶に新しいところ。首都高地中化の総予算は周辺土地の買収費なども含めおよそ7000億と何かの記事で見かけたことがある。この数字高いとみるか、安いとみるか意見が大きく分かれるところと思う。巨額の国の公的資金を導入して日本橋界隈のみの再開発をすることに疑問を抱く方、日本の象徴である日本橋を日の当るように整備するのだから特別の意味のある事業だと主張するグループ。大方の良識派はこちらの意見で、高度成長期の負の遺産の象徴とされる日本橋上空の首都高を撤去するのは、国家事業として当たり前のこと、韓国だってプロジェクトを成功させているではないかと。このままでは日本の恥だ。確かにおっしゃることは一理あるのだが、ソウルの清渓川の件はあの場所が渋滞を引き起こす場所であったため、整備することで渋滞が解消されるという大きなメリットがあっ たようだ。日本橋の件は明らかに景観的要素が主である。しかもこの悪い景観を、良い景観に変えていこうという趣旨だが、この首都高ジャンクション景観素晴らしくカッコ良く、国籍を問わず、時に興奮状態に誘ってくれる、東京が世界に誇る都市景観資産だという意見もマイナーだが出始めているからやっかいだ。しかも、河川の上に延々と覆いかぶさっているなんて、なんてファンタスティックなんだと。これも立派な日本の歴史であり産業化遺産だ、2016年の東京オリンピックにて撤去再整備などとんでもない、むしろ保存するべき景観だ。巨額の公的資金を投入し、大事業など始めなくても、今あるこの貴重な都市資産をどう使いこなすかが重要ではないかなど、いろんな見方が実はあるようです。この景観価値って、成熟した都市では個人によってかなり意見が分かれるので厄介なのではないだろうか。

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今回クルーズに参加いただいた皆様はどう感じましたでしょうか?やはり最悪だ、オリンピックまでに撤去すべきだという方も結構いましたし、アートスペースとしての計り知れないポテンシャルを感じた方も結構いらしたのではないでしょうか?
BPAはどう思うかって?日本橋界隈は、歴史的に重要な場所でもありますが、今でも日本を代表する大企業が集積しています。政治的思惑も蠢いていることでしょう。我々の役目はリサーチと水上経験という仕掛けによる問いかけであると考えています。このようなイベントを介して空間体験をし、これらの議論を共有していくことが重要なのではないかと思います。Life On Boardとは、水面に出ることによって各自が都市や都市生活への問いかけを始めるきっかけを提供できれば意味がある活動なのかなと個人的には思っています。さて、本格的な低成長、人口縮小時代に突入してしまった日本。各自で都市でのライフスタイルを模索し、どう生きたいのか答えていかなくてはならない時代なのではないでしょうか。

今回参加いただいた在華坊さんのブログです。マイナーな感想かもしれませんが参考まで。
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by canalscape | 2009-08-11 16:30 | クルーズイベント
2009年 08月 02日

LIFE ON BOARD action-resarch cruise (#2 河川と防災)

f0206739_23131739.jpg今回のクルーズルートは日本橋川の常盤橋防災船着き場と神田川和泉橋防災船着き場の2点をピストン輸送するコースであった。当初、神田川と日本橋川で囲まれた神田アイランド1周クルーズを検討していたが、主催者側より、CETエリアである東日本橋界隈との連携を強くするよう申し出があり、それはそれで新しいチャレンジと思い承諾した。こちらでリクエストした桟橋は中央区常盤橋防災船着き場と千代田区の和泉橋防災船着き場。常盤橋は数々の日本橋川イベントで利用されているが、和泉橋を防災イベント以外で使用した実績はなかったとのこと。東京都からお願いしてなんとか実現した次第です。区をまたいだ防災桟橋の2点間利用は珍しいというよりはじめてか?コースとしては神田川の上流の風光明媚なエリアを航行できなかったのが残念でならないが、水門で囲まれた亀島川を航行した事例は少なく、それなりに見るべきものはあったかと思う。同じエリアでも、上りと下りではかなり景観の感じ方が違いますね。日本橋川は下流から遡った方がジャンクションの展開がダイナミックです。亀島川は逆に下った方が南高橋と水門、佃のタワーマンションのコントラストが印象的な風景を作っていると思う。

f0206739_23141710.jpgこの亀島川、僕が卒業設計のテーマにしたくらい思い入れのある水辺だ。水門で囲まれているため、水位のコントロールが可能であり、高い護岸が不要であり街と水面が極めて近い関係にある。また、敷地も小割りのヒューマンスケールであり、極めて質の良い親水空間を形成できるポテンシャルを秘めている。日比谷線、京葉線の八丁堀駅もすぐ近くであり、銀座からはわずか2km圏内、交通の便もきわめて良い。しかも、水門、トラス橋、遠景にタワーマンション群、広すぎず狭すぎずの川幅だ。おまけに船溜まりには艀を改装したハウスボートが2隻係留されている。これ以上の水際文化発祥の地はほかにないのではないかというほどの都市水面なのです

f0206739_2315367.jpgさて、今回利用した防災船着き場ですが、昨今国土交通省?の震災対策として都内だけで約70ヵ所に設置されているようです。この防災施設日常は施錠され使うことはできません。震災で道路が遮断された時、船による救援物資搬入や帰宅困難者輸送に使うことを目論んでいます。しかしながら、こんなところに防災拠点があることをどのくらいの人が把握しているのでしょうか?実は和泉橋桟橋が設置されている公園は防災公園でもあります。隣接した建物は日常集会所となっていますが、非常時は防災シェルターとなります。
BPAの活動で積極的に防災船着き場を利用しているのは、日常利用率の低い公共施設をイベント利用することで多くの人に訪れていただき、非常時に防災拠点として思い出してもらえる場所にできたらと考えています。
都市の水面利用を活性化させると、そんな副産物も付いてくるわけです。今回のLIFE ON BOARDの旗は、普段施錠されている防災桟橋の開錠をイメージした部分もあるのです。今後この活動を介して、堤防などの物理的障壁のほか、これら都市水面を囲い込んでいる見えない壁についてビジュアラズできたら面白いのではないかと思います。都市の水辺は実に多くの規制がかけられ、不可解な矛盾に満ちた都市空間なのです。続きはまた。
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by canalscape | 2009-08-02 22:33 | クルーズイベント
2009年 08月 02日

LIFE ON BOARD action-resarch cruise (#1 レイヤーシティー)

ご無沙汰しております。久々の更新です。本業の仕事やBPAのオフィシャルサイトリニューアル、今期のYOKOHAMA Canal Cruiseサイト立ち上げ、そして7月18日のLIFE ON BOARD@CETイベントと、あっという間に半年が過ぎてしまいました。その間取りこぼした出来事をblog up出来るか疑問ですが、かいつまんでメモしておこうと思います。
なんといっても、BPAというグループの再活性化の切っ掛けになったのは東京都歴史文化財団 文化発信プロジェクト室による新組織による東京アートポイント計画の発足イベントにBPAが起用された事かと思います。この組織は、元水戸芸の企画課長であった森司氏を中心に新たな若いキューレターが都の職員として召集された組織です。都知事直轄色の強いトウキョーワンダーサイトとは役割を別にしているとのこと。よくは知らないが、東京で分散的に活動しているNPOやアート活動にテコ入れしてネットワークし、再活性化してゆくことがミッションの1つであるようだ。その他、エリアとラインというキーワードが雑談の中で出ていたが、よくある点・線・面というネットワークの広がりというより、個人的にはライン(線形空間)に過剰に反応してしまい、がぜんやる気が出てきた次第です。一応BPAは水路・運河というライン(線形)の活性化に参画させていただけるとのこと。この都市の線形空間とても魅力的なのです。写真家 石塚元太良さんのインナーパッセージのような都市河川・運河世界だけでなく、大山顕さんのやられている高架下建築空間、首都高ジャンクション、その他にもメトロ、地下道、露地、空路(航空法)など。東京の特徴って、これら線形レイヤーが高密に積層しているのが特徴かと思います。これだけ、運河や地下鉄、鉄道、首都高が積層した都市って他にないですよね。そんな線形レイヤー集積都市の基盤となっているのが、江戸時代に掘削埋立てられ発達した掘割や運河なのです。古地図を見た方はご存知かと思いますが、江戸は現在とは比較にならない水網都市です。それが舟運の衰退とともに埋立てられ、その上に首都高や公園、地下鉄という高度成長期の産物が作られてきたのです。土地の買収の手間を考えると、運河を埋め立ててその上に道路を造るのが手っ取り早かったわけです。ですから、今の東京の骨格って運河がベースになっているのです。
ご存じのとおり、江戸は隅田川、江戸川河口を埋め立てた都市で神田より東側は低地です。江戸の歴史は水害との格闘の歴史であり、堤防と水門、放水路、ダムなどでいかに治水してゆくのかが最重要課題であった。
その技術が、世界最高レベルの土木技術に繋がっていると思う。今でも東京は水門と堤防で強固に治水されていて、今の繁栄が成り立っている。もっとこれら江戸東京発の都市インフラについて考えてみたいですね。
このLIFE ON BOARD action-resarch cruiseという活動もちろんそれだけではありません続きはまた。
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by canalscape | 2009-08-02 10:47 | クルーズイベント