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2008年 02月 17日

子安浜親水集落

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引続き子安周辺の運河探索。テクノスケープを抜けて橋をくぐり、首都高横羽線の下に佇む運河に出ると、タイムスリップしたような驚愕の風景が現れた。この運河、地図で見ると、首都高の表示に隠れていて確認しづらいが最も内陸側に位置している。おそらくこの運河を境にして、漁業の時代の海辺と近代化による工業地帯の埋め立地を隔てているのだろう。この船宿集落、その当時のコミュニティーが色濃く残っているのだろうか?このあたりの町名は浦島町というらしい。いまでは中国の田舎か、東南アジアに行かなければ見られないような親水性の高い集落となっている。ほんの5,6年前までは、東京の佃や古川河口の浜松町あたりにも似たような親水集落が残っていたが、今や綺麗に規格品住宅のような建物に立て代わっている。このエリアもそう遠くないうちに、変ってしまうのだろう。しかし、テクノスケープの奥に、これだけの大規模な船溜りが、バラック的船小屋と共に残っているなんて、誰が想像出来ようか。筆者は本当に感激いたしました。

f0206739_2361929.jpgこの船溜り、すごい数の船がありますが、稼働率はどの程度なんですかね。沈みかけた廃船も多数ありました。廃船の上にテントを架けたり、小屋を造ったりして、水上スペースを造っているものも。完全に違法建築?ですね。水際に建つ小屋はどのように使われているのでしょうか?人が住んでいる気配はありませんが、屋形船の準備をしていたり、植木があったり、大きな鳥小屋があったり、人の活動と生活臭はすごくあります。陸地も含めて、このあたり実に興味深いエリアです。今後陸からも探索したいですね。


f0206739_237456.jpgこんな親水空間、係留権付のまま、リノベーションして住宅や店舗、アートスペースにしたら、結構面白いスペースになりそうですね。自宅の前にマイボートを係留なんて、夢の住宅です。物理的には十分可能なのに。やはり係留権って売買出来ないんでしょうね。船舶はすべてマリーナで管理し、水路はすっきり綺麗にという方向は今ひとつ共感できません。船の無い水辺ってほんとつまんないですよ。このあたり、家業の相続などどうなっていくのでしょうね、ここもいずれは東京の運河のようにマンションだらけになってしまうのでしょうか。
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by canalscape | 2008-02-17 22:51 | 船溜り・船小屋
2008年 02月 12日

子安・鶴見エリアのテクノスケープ

f0206739_19314369.jpg今日はいい天気でしたね。しかしながら今年は寒い。さすがにボートクルーズには出ていません。去年はこの時期、バージ船に寝泊りしていたのですが。
 さて、今週はいよいよ子安周辺のテクノスケープの紹介。コットンハーバー、瑞穂橋を過ぎ京浜運河を北上すると、京浜工業地帯に入って行きます。ここから先は、現役コンビナートの密集地域となってゆきます。これぞ「港湾風景」といえるような、期待を裏切らない景観。スケールアウトした鉄の塊、や大型貨物船、水蒸気、ナトリウム光、クレーン、煙突、バージ船・・・・・
まさにリドリースコットの映画のような世界が果てしなく広がっています。子供の頃から、なぜかこんな空間・風景にゾクゾクしてしまいます。これって男性特有の現象なんですかね、一種のフェティズムなんでしょうか?バージ船の転用空間に共感してくれる方なら、絶対この世界シンクロしてくれるはずです。バージ船の生まれ故郷とは、このような極めてハードな質感をもった空間なのです。この手の風景、馴染みがあるのは工場関連業務の従事者以外では港湾での釣りをやる人くらい、大多数の方は映画や写真では見かけるが、実物を体験する機会ってあまりなかったのではないでしょうか?筆者も、横羽線を走っているとき見るくらいで、日常生活の中では接する事はありませんでした。そのくらい、このエリアは街からは隔離された世界となってしまったのです。逆に言うと、海沿いでありながら、都市は水辺から隔離されてしまったということです。臨海部は隙間なく、工場私有地となり、当然、一般人の立ち入りは禁止となり、京浜運河自体も、存在は知られていながらも、見たことは無いという状況が続いていたのです。しかし、この4,5年の湾岸タワーマンションブームで、運河が物理的に身近になってきたわけです。

f0206739_19331054.jpg湾岸リノベーションについて話していると長くなるので、また別の機会に。本題のテクノスケープに戻るが、機能の集積であり、合理性を追求している構築物であるこれらには、デザインや取り繕いなどというものは一切ない。しかし、これら構築物の有機的で生き物のような形態は圧倒的な存在感をもって迫ってくるのです。現在の都市の中では何らかのデザインがされていないものを見つけるのは難しい状況です。どれも何らかのデザインらしきもので取り繕られています。これら人為的に操作された景観デザインが、都市のテンションを下げているようにも感じます。よくわかりませんが、チープなデザインは何か、都市を去勢してしまうような効用があるような気がしてなりません。もちろんすばらしいものもあるのですが・・・。

f0206739_19335141.jpg 今回の写真3点。上から昭和電工鉄鉱石ヤード、三菱化学セメント工場、艀と日本製粉サイロである。どれも形態といい、質感といい申し分の無いテーストであり、存在感である。一種のランドアートと言っても通用すると思うがどうだろう。このような生命感あふれる空間でのアートや音楽のあり方に興味が尽きない。このエリアには、そのような意味での価値ある空間が、認知されること無く眠っている。何も、タワーマンションやショッピングセンター、又はきれいに整備された公園に転用するだけが再開発ではないと思う。今ある景観を再評価し、異質なDNAと組み合わせるだけで、恐ろしくテンションの高い都市が実現すると信じている。
 京浜運河クルージングはそんな夢想クルーズなのです。まだまだ手付かずのフロンティアが残ってますよ。
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by canalscape | 2008-02-12 19:16 | テクノスケープ
2008年 02月 03日

浅野ドックその後

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先週に引き続きコットンハーバー周辺について。
コットンハーバーボードウォークの向かいに、国土交通省の敷地がありその一角のドック跡の入り江にLOBを係留していることを先週紹介しました。さらにその奥に現在も稼動しているドックがあるので紹介します。このドックついこないだまで、コンクリート製浮き桟橋などをドライドックにして製作していました。海側に水門が見えます。ランドマークタワーの足元にあるドックほどの遺産価値はないのでしょうが、将来拡張されるであろうボードウォークとマンション街の足元にこんな施設がそのまま残っていると、結構遊べるのではと思います。ドライにすればアリーナ型コンサートホールやスタジアムに。海水を入れれば子供にも安全な水面に。いろんな遊び方やイベントが考えられます。豊洲のららぽーとみたいに水上バス乗場にするのも現実的にはいいのではないかと思いますが、もっとフレキシブルに使える水面にしたほうが場所の個性が出るかなと思います。もちろんクレーンも水門もそのまま残してほしいですね。

f0206739_18592798.jpg前回も書きましたが、このドック、浅野造船所が所有していたもの。京浜運河をプロデュースした浅野総一郎の創業した企業のようです。その後日本鋼管(現JFEスチール)となり、その後デベロッパーに売却され、コットンハーバーはドックを埋め立て建設されたようです。このような近代化遺産を部分的にでも残した形で街づくりをしたほうが絶対面白いと思いますがいかがでしょう。唯一この土地の歴史を刻んだ記念碑があるようです。
このドックも今年3月以降は売却されてしまうようですが、解体着工前に野外ライブやアートイベントなどやれないですかね。横浜トリエンナーレの裏企画としてこの場所で水面を使ったアートイベントなんかありえると思いますが。それから来年の開港150周年記念イベントとかね。陸からの交通の便は極めて悪いが、ぷかり桟橋や赤レンガなどから、舟運でお客さんを運べばあっという間に着きますし、非日常的なスペースに船という非日常的なアプローチをし、非日常な体験をするという企画、ベネチアビエンナーレみたいでいいと思いませんか?コットンハーバーの認知度も上がるし、一石二鳥だと思いますが。

f0206739_191889.jpgアムステルダムでは中央駅から船で15分ほどのところに、NDSM Wharfという閉鎖した造船所を改装し、アートヴィレッジを形成している事例があるようです。スペースの必要なアーティストたちが勝手に廃墟に住みだし、コミュニティーを作り始めたのがきっかけのようです。当然、不法占拠(スコッター)なのですが、何年か住み続けると、既得権が発生するようです。市が強制退去させることなく、今では立派なアートスポットとなっていると聞いています。対して日本の水際って、しっかり管理され、計画されたものしか新たに発生していませんよね。自然発生的なものは徹底的に排除しようとする力学。羽田の船溜り、LOBの係留問題なども同様の事情です。
水際の再開発、ボードウォークやオープンカフェなどはだいぶ出来てきましたが、個人のボートが自由に着けられる場所ってほとんど存在していないんです。海外ではボートで食事やイベントに出かけられる場所なんて、いくらでもあるんですけどね。東京湾では、各マリーナを除くと新山下のTYCOONと千葉の保田漁港、くらいでは?なんとも寂しい限りです。なんで個人のボートを着けてはいけないのでしょうか?なにも無料でとはいいません。この疑問今後も考えていきたいと思います。

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参考)ららぽーと豊洲前水上バス乗場。
IHI造船所ドック跡地を部分活用した事例。
三井不動産は芝浦アイランド、豊洲と船着き場を設置し、舟運活用による臨海都市の活性化を目論んでいるようだ。
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by canalscape | 2008-02-03 18:25 | テクノスケープ