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カテゴリ:ART・建築・街( 5 )


2014年 01月 06日

20年ぶりの香港再訪

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年末、20年ぶりに香港を訪れた。今年の年末年始はまとまった休暇が取れ、子供の部活動も休みとあって、近場に旅行に行くには都合の良い状況であり、子連れのため時間的金銭的負担の少ない香港3泊4日旅行をすることとなった。20年前の1992年、当時私は大学の建築学科4年で同じく12月だったような気がする。空港はまだ啓徳国際空港で着陸は高層住宅スレスレにかわして滑走路に滑り込むという世界で最も着陸難易度の高い空港と言われていた。ネオンきらめく日没後に香港上空から高層住宅をスレスレに躱し、ビルの谷間の街路に溢れんばかりのネオンがぎらついている上空から右旋回でぐんぐん高度を落としていく光景はいまだ強烈な印象が残っている。事前知識がなかったので無数に組みあがる無法工作物に接触するのでは?747の機体はガタガタいっているし、いくらなんでもスレスレ過ぎる。コースを誤ったのではないかなど頭の中をぐるぐる駆け巡った記憶がある。右に旋回していくので後部右側窓側3列名の座席だったことも下界を見下ろすのに幸いした。
当時香港を訪れた理由は解体直前の九龍城砦を見ておきたかったこと、そしてこの天空に伸びる立体超高密度都市を体験しておきたかった事、さらに大好きだった沢木耕太郎の深夜特急で描かれていた、熱のあるアジア的混沌の都市をみたかったからだ。それともう一つ、鹿島出版会SDという都市・建築の専門誌で特集された東京大学大野秀敏研究室のリサーチをまとめた92年3月号「香港超級都市」という特集がとんでもなく魅力的だったからだ。これだけ行きたい動機があれば迷いはない。とにかく香港に行きたかった。ちょうどアイデアコンペの賞金でもらった10万円があったのでそれで格安旅行をした記憶がある。
すでに当時から漠然と水辺には関心があり、ランタオ島のタイオーという水上集落、香港島南西部アヴァディーンの水上生活者の棲む入江があることをSDで知り、優先的に訪問していた。当時はフィルム写真で記録は実家の納戸の奥に眠っているのだろうか?行方不明なのが残念なのだが、強烈な印象があり20年後どのような変化を遂げているか同じ場所を確認したくなった。日本の都市の水辺をかなりリサーチした後だと見方が変わっているのではないか?日本の港湾との比較という視点も楽しみにしていった。
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香港国際空港
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道路をまたぐ国際金融中心のショッピングモール。アップル凄い人だかり
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今回はランタオ島の北部に位置する巨大な香港国際空港から安全快適に着陸。フォスターアソシエイツ設計。実はトランジットでは利用したことがあり、今回3回目。そこから高速鉄道で香港島中環に30分程度で滑り込む。超便利だ。さすがにバックパッカーのようなチョンキンマンションというわけにはいかず、香港島中環から西の上環よりさらに3キロほど西に位置する屈地街そばのトレーダーズホテルというビジネスホテルに投宿。グレードは日本でいうとREMMクラスか?すっきりしたモダンデザインが心地よく眺望もなかなかである。ホテルの紹介は後日まとめて紹介したいところだが・・・
当時数少なかったメトロ(MTR)は現在11路線にも増えていた。最新の2階建てバスもガンガン走っている。香港島中環には88階建てのタワービルを中心にシティーエアーターミナル機能と巨大なショッピングモールとオフィス、ホテル(フォーシーズンズ)を持った複合施設IFC(国際金融中心)ができており、香港の玄関口としての機能が象徴的合理的に計画されていた(設計はシーザーペリ)。当時話題だったIMペイの中国銀行ビル、フォスターの香港上海銀行ビルが色あせて見えるほど周辺には巨大なビルが林立していた。この分ではトラムやスターフェリーなど存在していないのでないかと思いきや、立派に庶民の足として活躍していた。この懐の深さが素晴らしい。香港の街を移動するのに現在5つの公共交通が選択できる。メトロ(MTR)、タクシー、ミニバス、2階建てバス、トラム。そして香港島と九龍を結ぶ手段としてはさらにフェリーが加わる。埠頭はメトロの駅と縦横無尽なペデストリアンデッキで結ばれており、スムーズに接続されている。そんなわけで空港以外は都市の基本構成は当然あまり変化していなかったが、交通インフラや建築は目覚ましい発展を遂げていた。そんな中でも特に便利に感じたのが香港版スイカ、八達通(オクトパスカード)。これにチャージしておけば小銭が不要。コンビニやショッピングモールなどあらゆるところで使える。外国人には大変心強いツールである。もちろん離島への高速船やスターフェリーにも使えます。
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ただ、残念だったのは、大気汚染が酷かったこと。晴れているのに対岸の九龍側が霞んでいました。のどや目も半日で痛みが出るほどひどい状態です。冬季でこの状態だと夏はどうなっちゃうの?雨が降るからまだましなのか?いずれにしてもドン引きです。食材への不安もあります。上海蟹や魚介類の状況も怪しいものです。降った雨は海に流れますからね。
次回は情緒豊かなクラシカルな渡し船「スターフェリー」について紹介します。

◆参考資料

啓徳国際空港へ着陸する飛行機を地上から撮った動画
啓徳国際空港へ着陸する飛行機から撮った動画
啓徳国際空港についてのサイト

香港の交通機関について

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by canalscape | 2014-01-06 02:21 | ART・建築・街
2011年 05月 17日

さよなら赤プリ

f0206739_0541954.jpg随分日が経ってしまったが、赤坂プリンスが昨年度の3/30をもって閉館するとのことで、急遽3月26日の最終土曜日に宿泊した。部屋は36階見附の交差点側。バブル期シティーホテルの代名詞でありステータスであった赤プリ。丹下健三をアーキテクトに起用し、構造は鹿島建設のエース播繁が担当。屏風を広げたような象徴的な外観は、ほぼすべての客室にコーナーウインドウを設けることが出来、意匠・機能共に満たした画期的な試みであった。
客室天井高さはCH=2400と住宅的なスケールで決して高くは無いのだが、横に開けたコーナーウインドをL字型ソファーと一体的に納めており、派手さは無いがじつにスマートに客室空間を演出している。
また、エーロ・サーリネンのラウンジテーブル、テーブルスタンド、デスクチェアーなど正統派モダニズムな備品でコーディネートしており大変美しい統一性を感じた。


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f0206739_0594590.jpg最上階のレストランとBARは雁行し連続するコーナーウインドウと鏡を貼り存在感を消した柱がクリスタルに共鳴し、床段差のある空間とサーリネンの家具が硬質かつ艶っぽい空間を演出している。このような時代を象徴するホテルが解体されてしまうのは残念でならない。じつは小生、バブル真っ盛りの学生時代、このホテルの宴会サービスでバイトしていたのだ。確か時給1200円だったと記憶している。あの当時は巨大宴会場クリスタルパレスでは毎日のようにパーティーが開催されており、トップオブ赤坂では着飾ったカップルで盛況であり、たくさんのコンパニオンがホテル内を闊歩するような浮かれた時代だったのだ。この時期に僕個人はホテルのサービス動線の重要性や空気感、舞台裏というものを習得していたようだ。当時漠然とホテルへの憧れがあったが、現在は幸か不幸かホテル専門の設計部門にいる。現在のような不況期において、ホテルは真っ先にダメージを受け苦しい状況なのだが、ホテルは都市には必要不可欠な存在。必ずや新しいホテル文化が現れるだろう。この日は世間は震災直後の委縮した状況であるはずだが、ホテルは閉館を惜しむ人たちで大盛況であった。閉館後は解体までの数カ月被災地の避難民を受け入れる。最後にもう一仕事がんばって。そして短い時間であるが、バイトを通して僕の人生経験を豊かにしてくれたことに感謝。ありがとう赤プリ。
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by canalscape | 2011-05-17 01:06 | ART・建築・街
2010年 08月 10日

船で巡る旅 瀬戸内国際芸術祭 #女木島・男木島

前回の続き、3日目
赤い小型フェリーで女木島、男木島へ。最後にこのフェリーに乗れてラッキーだ。
こんなかわいらしいフェリーがインフラとして稼働しているのがほほえましい。がんばってもらいたい。
今日は猛暑の日曜日。女木島の海水浴場に行く地元の人たちがたくさん乗っている。
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鬼が島で有名な女木島はフェリーで20分ほど。島から高松港も見える近さなのだが、島は全く違った空気が流れている。女木島の民家は冬の強風オトシに備えて「オオテ」という石垣塀で囲われているのが特徴的。まるで沖縄のヒンプンのようだ。
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高松から近いのだが、ここもご多分にもれず過疎の島だ。廃校になった小学校がギャラリーになっている。フェリーの客は大半が海水浴場に行くか、鬼の洞窟ツアーに行ってしまった。家族は洞窟ツアーに行かせ、僕は一人でゆっくり集落や港を探索。なかなか充実した時間。
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「オオテ」は時代によっていろいろな石が積まれている。3mほどの高さまで積まれているが、そんな強烈な強風が吹くのだろうか?想像のつかない風景が広がるのだろうな。船も航行できず、孤立する季節。島暮らしの真の厳しさには想像が及ばない。

鬼の洞窟ツアーから戻ってきた家族と合流して古民家カフェでランチ。この民家、四合院みたいにロの字プランであり、中心に石庭とアートがある。品よくアートと食と建築を組み合わせた空間。食事もとてもおいしかった。過疎の島にこんな素敵なカフェがあることに驚く
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ここも名残惜しいのだがフェリーが来たので男木島に向けて出航。
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さあ、いよいよ男木島だ。船から急斜面に張り付いた集落の全貌が見えてきた。本瓦の屋根で統一された美しい集落美。自分だけが目立とうとする家や建築が出現すると瞬く間に崩れ去る美意識。強固なコミュニティー意識が無いと成立しない。上陸すると、早速急な坂道が現れる。坂を登っていくと次々と見事な石垣に載った木造民家が現れ路地の隙間からは海がと島々が見える。とても現代の日本とは思えない、なにかネパールの山岳集落のような濃厚な素材感がある。民家は門をくぐると前庭があり密度の高い空間が現れる。中に入ると窓から海が一望できる書院づくりの客間が。こんな民家がどんどん空家になっている現実。斜面が急なため、どの民家も窓からすばらしい眺望が望める。
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噂によると集落の30%が空家だという。新しい血を入れなくてはならないが、ここに住めるのは特殊な仕事をもった人種に限られるだろうな。学校も休校目前だから子供のいる人も難しいかもしれない。
他の島でもあったが、後継がいても古い民家を嫌い建て替えてしまう住宅も何件かあった。
建て替わった住宅は、今までの民家とは遠く及ばない現代の一般住宅。断熱性や遮音性、水場の性能は向上しているのだろうが、それだけじゃないよね住宅は。とか外野が言っても伝わんないよね当事者には。この件は京都の町屋や東京の下町にも共通する問題。
古民家ゲストハウスにしたら面白いのだろうが、サービスや改修工事は大変だろうな。車は入って来れないし、スーパーももちろん無いからね。
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この日の朝、ホテルから港までタクシーに乗り、運転手と話をした。彼は70歳になるという。高松で働いていたが、定年後は男木島に移住し船を持ち、大好きな釣り三昧の生活を夢見ていたという。空き家も多く民家一軒1月2~3万で借りられるそうだ。いよいよ移住しようとした矢先、奥さんが病気になった。病院も無い島暮らしは夢と消えてしまったと言っていた。あの島の場合足腰も相当しっかりしていないと住めないな。島暮らしは健康であることが大前提になる。近くても島はハードルが高いのだな。

話は変わるが、男木島の松本秋則「音の風景」はぜひ見てほしい。古民家とサウンドスケープの素晴らしいコラボレーションが堪能できる。
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それから中西中井の「海と空と石垣の街」も、斜面の路地や石垣という島の特性をうまく生かしている。
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もう帰りの時間になってしまった。せめて一泊はしてみないとだめだな。島中ゆっくり散歩してみたい。天候季節によっても刻々と印象は変わるだろう。アートイベントを介してこんな素晴らしい集落に出会えたことに感謝したい。
船でネットワークされた島々のアートイベントという壮大なプログラム
とても3日で見きれるものではなかった。次回機会があれば気になった島に1泊以上する旅をしてみたい。きっと新しい発見があることだろう。
なんか今回はプログラムを消化するだけのダメな旅の典型になってしまった。
どうもプログラムが豊富な企画は、ホテルのビュッフェで取り過ぎてめちゃめちゃになってしまうのと同じような事態に陥ってしまう。テーマを絞りたいところだが、HPやネット情報だけではそれは難しい。再訪するしかないのだが、貧乏症で同じ所に何度も行くのもどうかと思う。何か、運河や舟運、サーフィンのように、繰り返し訪れたい何かが見つからないとなかなか行けないんだよな。
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by canalscape | 2010-08-10 14:43 | ART・建築・街
2010年 08月 10日

船で巡る旅 瀬戸内国際芸術祭 #犬島・直島

前回の続き。2日目も快晴だ。朝一のフェリーで直島へ。フェリーの方が揺れないし冷房利いてるしなんか楽だな。直島到着後船を乗り換え犬島へ。船のトランジットって新鮮。だが船でしか繋がっていない島。海が荒れると孤立する島の生活が想像される。
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しばらくして船から犬島精錬所の煙突が見えてきた。わくわくするな。いよいよ上陸。
精錬所美術館の手前に、葉山の海の家のようなキャンプが出現。すげーかっこいい。
開拓者のコミューンみたいな雰囲気だが映画のセットの様でもある。キャンプの向こうには木造足場の巨大スロープが。スタジアムへのアプローチだ。この舞台演出考えた人誰?すごいな。風景とのマッチングが刺激的。
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三分一博志さん設計の美術館の中にあるカフェで一息。オリジナルの犬島ジンジャーを頼んだがすごくおいしい!疲れ取れる~。さあいよいよ柳さんのアートに対面。問答無用にかっこいい。このアートを中心にエコロジカルな空調システムと独特のランドスケープ、瀬戸内の風景を巧妙に繋いだ建築家の力に感服した。主張しすぎない建築。素敵だ。余談だが、ここにも中国人らしき旅行者が数多くいたが、日本語一辺倒で館内を案内していた。これでいいのか?内容が素晴らしいだけにしっかり言語でも伝えたいところだ。
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精錬所をぷらぷらと散策後集落の方へ。時の人である妹島さんと長谷川さんのコラボ、犬島家プロジェクトを鑑賞。いかにも彼女達らしい作品群。ガラスのフィルター越しに見る民家やアルミの軽い屋根など、集落とは全く異質の素材と空間を埋め込んでいる。
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でも集落散策はとても楽しい。思いがけず、素晴らしい島の風景に出合える。CETあたりからメジャーになってきたアートを呼び水に町を回遊させる手法はまだまだいける。僕の場合、作品意外に発見できたものの方が圧倒的に楽しいし印象に残ることが多い事に気付かされた。アートは何かを発見するための切っ掛けに過ぎないようだ。
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さて、名残惜しかったが犬島を去り直島へ。娘の提案で自転車を借り本村へGO。
本村で3年前に行ったうどん屋さんで讃岐うどんをいただいた。相変わらず安くてうまかった。前回見た家プロジェクトや最近できた作品も訪問。帰る間際に川俣さんの向島プロジェクトを見に行ったがどれだかわからず。なんだか慌ただしい一日だった。
娘に大竹さんのアート銭湯 「I LOVE ゆ~」に入りたいとねだられたが振り切って
快適フェリーでゆっくり高松へ。今日は港でボサノバイベントがあるのだ。
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なんだか慌ただしく島を廻ってしまったことをやや後悔しつつ高松へ帰港
驚くほど頻繁に発着するフェリーターミナルをバックにボサノバナイト
定点観測していると本当にいろんな便が頻繁に出入りしていることに気づく。
高松港はフェリー王国だ。日没の美しい時間を船と音楽で堪能できた。
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次回へつづく
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by canalscape | 2010-08-10 13:55 | ART・建築・街
2010年 08月 08日

船で巡る旅 瀬戸内国際芸術祭 #豊島

2010年7月の21~23日まで高松を拠点に瀬戸内国際芸術祭を訪れた。
昨年の水都OSAKAに続き、船を絡ませたアートイベント。またしても北川フラムさんがかんでいる。
越後妻有でバスで巡るアート観賞という新鮮な経験をさせてもらったが、今回は船を使わなくては成立しない島めぐりの旅。BPAとしては行かない手はないよな。
全国的に連日の猛暑でこの日も明け方から恐ろしい熱気と湿度。今回の旅は日差しや暑さとの戦いになりそう。夏の島訪問、夏らしいのは望むところだがいくらなんでも暑すぎる。
以前直島は地中美術館や家プロジェクトを中心に訪れたことがあったのだが犬島やその他の島々は初訪問である。各島々への航路を見ると圧倒的に高松からの便が多いため今回は高松市内に宿泊することとした。ANAとWホテルのパックで1人2泊で31000円!安いな。でも地方のWホテル狭いし老朽化してるので覚悟していった。結果的には朝食スペースが最上階で市内を見下ろせる眺望であり、気持ちよく過ごせた。食事は安くシンプルでいいのだが自然光の入る朝食会場重要だよな。今回は、島の見どころが多すぎて高松市内を見る暇がなかった。丹下健三の高松市庁舎やその他モダニズムの良さそうな建築が結構残っているので見たかったのだが。イサムノグチの美術館なんかも行ってないな。前回は谷口吉生の美術館の中でも最も好きな丸亀美術館に数年ぶりに訪れたり、高松市港湾倉庫群をリノベーションした「北浜alley」などを視察する余裕があったのだが。

初日は朝一の便で高松に入り午前中に直島経由で豊島へ。高速艇でガンガン飛ばす。途中男木島の集落を見かけたが見事な斜面集落。これは見に行かねば。直島では埠頭のSANNAのぺらっとしたターミナルが出来ていた。さらに豊島へ。高速艇といっても、結局高松から豊島まで2時間弱かかった。遠いな!
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豊島到着。暑さによる汗と潮風で体中べたべた。汗だくのアート鑑賞開始。
離島らしく24時間の水上タクシーなんてのもあります。
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まずはバスで荒神社へ。暑い夏の日この湧水を祀った神社がとても良かったです。
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作品鑑賞後歩いて「島キッチン」へ。集落の中の古民家カフェを中心にビレッジのような食空間が点在している。庭で数々の催し物が開催されるらしい。泊まりでゆっくりみてみたいものだ。ここで出る野菜は全部島でとれたものらしい、100円で生の野菜をそのままもらえる。おいしいですよ。
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この集落は緩やかな斜面に張り付いた感じ、路地の隙間から見える海や石塀の石積みが美しい。石垣の組み方が独特で繊細なヘリンボーン柄。
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昼食後は藤浩志さんの藤島八十郎ロッジへ。廃屋をセルフビルドで絶賛改修中だ。リアルな島暮らしライブを垣間見ることができる。廃屋の2階からは本瓦で統一された美しい集落と海と瀬戸の島々が一望でき、島の一員であることを強く意識出来る。島暮らしの家ができるプロセスを公開しているあたり、藤さんのスタイルを感じる。藤さんは3月の東京アートポイント+BPAの共催イベント「BO菜」にも来ていただいたのでご挨拶したかったのだが、学生?に取り囲まれ、次から次へと来客が来ていたので、バスの時間もあり挨拶もせず失礼した。
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ポルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」はさすがであった、スタッフの制服までそれらしく演出されており完成度高い。人里離れた美しい海辺のロケーションも牧歌的であるが逆に静かな恐怖感をあぶり出す。心臓音が人によってこんなにも違うものなのかと驚かされる。美しいビーチを眺めながら心臓音を聴く。規則的な気の遠くなるような鼓動の連続で僕らは生きている。生と死を身近に感じ、人間も自然の一部なのだと認識させられる。シンプルで強烈な作品。
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もう少し島の集落をゆっくり見て廻りたかったが、バスと船便の時間を考えると駆け足で廻らざるを得ない現実。でもゆっくり見て廻らないと記憶が飛んでしまうな。緩やかな無駄な時間が旅には重要だと改めて認識した次第。泊らないとダメだね。
帰りも2時間かけて高松へ。
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by canalscape | 2010-08-08 13:25 | ART・建築・街