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2012年 06月 05日

水陸両用車は本当に水辺を活性化させるのか?

先日、といっても3月下旬だが3/20から4/8にかけての水陸両用バスの社会実験に参加することができた。
趣旨は「東京湾の水辺活性化」とのことだが、はたして「水辺」は活性化するのか?

今回のコースは港区港南に残る元造船所のスロープを利用しての実験。浜松町のバスターミナルを起点に東京タワーをかすめ芝浦を経由、港南のスロープより入水。レインボーブリッジのループ周辺を回遊し、またスロープから陸上に戻り浜松町に戻るというコース。
最大の見せ場はスロープからバスが入水する瞬間。水面に浮いてしまうと遊覧船となんら変わらない感覚。あまり艇速は出なさそうだし波があるときは進まなそう。これは外から見てたほうが面白いのではないか?バスが海に浮かんでいる光景は最初はぎょっとする。
このバス窓が無いので冬場は走行中かなり寒い。採算が取れる40人の乗客数を確保しつつ、営業用水陸両用バスの法定基準排水量の5トン未満に抑えるべく軽量化したことが要因らしい。ガラスの窓をつけず、屋根のみで窓を開放しておくと船体部より上部は容積に含まれず排水量にカウントされないらしい。ぎりぎり5t未満の4.8トンをキープ。運転手は小型船舶2級(特定)と大型バス免許で操縦可能とのこと。
外観はご覧のとおりかなり特徴的。かっこいいものではない。エンジンは天ぷらの排油を使ったバイオマスディーゼルでエコ度を強調していたが、そんな手間のかかることをやって採算取れるのだろうか?

まあいってみればこれは水辺の「客寄せパンダ」だよな。大阪では物珍しさから都市観光の人気アトラクションとなっている。集客力もあり岸からこいつを発見するとみんなそれなりに盛り上がり大阪の水辺風景として特徴づけることに成功しているようだ。
だがしかし、これは単に物珍しいから乗ってみようというモチベーションではないか?一回乗ったらそれ以上のテーマがあるとも思えないため、色物アトラクションという印象をぬぐえない。確かに「都市型観光アトラクション」としては、成功するだろう。しかし大義名分である「東京湾の水辺活性化」には特に繋がらないと思えてならない。
理由は簡単である。肝心の水辺を素通りしてしまうからである。このバスがかかわる水辺は入水用スロープのみである。しかも他に上陸できる場所が無いため同じ場所に戻ってくるしか無い。そしてこのスロープは人気のない立ち入り禁止の港湾エリアの一角にあるのだ。いったいどこに水辺が活性化する余地があるのだろうか?今後このスロープを多拠点化して水上ネットワークを築くとでも?数ある防災船着き場も満足に使えていないのに?
土木工事が発生するスロープ設置にいったいいくらかかるのか?水陸両用バスを一台作るのに2億って言ってたかな。せいぜい2台で同じ水辺をぐるぐるやるのが限界だろう。いろんな意味で広がりを感じない試みであると思った。他にも江東区がスカイツリー観光用に水陸両用バスを運行させるらしいが同様に集客はあるが、たいして水辺の活性化には繋がらないのではと。唯一スロープの周りにカフェでも作って入水見学できるとそれなりに賑わいそうな気もするが。どちらにしてもそう何度も見たいものではないし継続的な水辺文化への波及効果は考えにくいと思うのだがどうだろう?まあ、何をもって水辺の活性化とするかだが。ガンダム作って人が集まりゃ活性化だとか言ってるのと同レベルのような聞こえるが。

非常時の活躍も期待されているようだが水面に降りられる場所が限定されてるのにどう活躍するのだろう?堤防が決壊し浸水した場合は有効かもしれませんが。そんなことより今ある防災桟橋を日常的に開放し、一般の舟運を活性化することのほうがはるかに重要で有益な試みのような気がするのだが?
ツアーでの説明もはとバス的な見どころ紹介と特殊車両についての説明に終始していた。
都市の水辺の状況や水陸両用バスがいかにして水辺を活性化するのかというもっとも重要な説明が抜け落ちているように思う。それに取柄は特殊車両なんだからこの車両のメカニズムの説明をバス降りてから実物見ながら説明するべきと思うがな。

まあ苦言ばかり言っていても仕方ないので、前向きな発言もしておこう。水陸両用バスをやるなら、高い金出して新造するより、世界各国の旧型軍事用水陸両用車両を集め改装し観光アトラクションにしたほうが安いしよほど面白いよ。もともとの発想は軍事目的だからね。道路交通法とか緩和する必要があるかもしれないがそのくらい何とかしたら?
性能を追求した軍事車両はデザインもかっこいいものが多い。そんな趣向なら乗ってみたいね。

◆参考
水陸両用車とは?

水陸両用車協会

東京ダックツアープロモーションビデオ
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by canalscape | 2012-06-05 00:58 | 舟運・桟橋


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